’24年は新NISAが注目され“貯蓄から投資へ”と舵を切る方が増えました。とはいえ投資はリスクがつきもの。使う予定があり減らしてはいけないお金は、ノーリスクの定期預金で守りましょう。
長く「定期預金はまったく増えない」状況でしたが、最近改善の兆しが見えてきました。背景には、日銀の金融政策が柔軟になったこと。また、人件費アップなどで金融機関から資金を借りたい企業が増えたことなどが考えられます。
いち早く動いたのは三菱UFJ銀行です。’23年11月、12年ぶりに10年定期の金利を0.2%と、それまでの100倍に上げました。
これが全国の地方銀行や信用金庫、ネット銀行にも波及し、今後、金利の引き上げ競争につながっていきそうです。
このランキングで目立つのはネット銀行・ネット支店の多さです。5位オリックス銀行や6位ソニー銀行などのネット銀行は人件費や店舗費用など経費が抑えられるために金利を上げやすい。また、店舗を持つ3位山陰合同銀行などもネット経由の取引に誘導したいのでしょう。ネット口座を新規開設した方を優遇しています。
利用者としては、ネット銀行は全国どこからでも預け入れ可能な点がメリット。ただ入出金はコンビニATMが主なので、利用手数料が必要かのチェックを忘れずに。
「山陰合同銀行は金利1%なのになぜ3位?」と思った方もいるのでは。金利は年間金利を表します。6カ月定期で1%だと、実質は半年分の0.5%です。ご注意を。なかには1%を超える金利を打ち出す3カ月定期も見られます。満期後は超低金利に戻るものが多いので、実際の利息額を計算して。
もう1つの特徴は、3位大阪厚生信用金庫や7位福岡信用金庫など公的年金を自行で受け取る人向けが多いこと。年金の振り込みには年金組合が振込手数料を払います。銀行にとって、年金受給者は手数料が儲かる上客なのです。
注意したいのは、定期預金金利1%超をうたう投資商品などとのセット販売。投資の手数料が高く、トータルで損するケースが大半です。さらに、現時点で金利3%超は詐欺だと思って近づかないこと。
安心安全な高め金利の定期預金で、老後資金を守りましょう。