海で拾ったプラスチックごみがネイルに 画像を見る

【前編】難病で骨が溶けるような痛みが24時間365日…「かっこいいママ」を目指した車いすのネイリストから続く

 

有本奈緒美さん(40)は、茅ヶ崎でネイルサロンを営んでいる。しかし、ただのネイルではない。彼女は、拾い集めた海洋プラスチックを材料にした、アクセサリー製作を考案。もとはゴミだったとは想像もできない、美しいイヤリングやネイルチップを自ら手作業で製作し、販売もしている。

 

いっぽうで有本さん、国内の患者数3000人ほどという難病「HTLV-1関連脊髄症」を患い、両足を自由に動かすことができない。現在は、車いす生活を送っている。下肢は、自由に動かせないだけではない。常時、激しい痛みにさらされてもいる。

 

「うまく表現できないんですが、骨が熱で溶けるような、もしくは、何かでえぐられているような、そんな痛みが24時間、365日続いていて。でも、もうこれが私の日常。慣れるしかありませんから」

 

痛みに耐えながら、それでも笑みを浮かべる有本さん。SNSには「やりたいこといっぱい!」とポジティブな言葉がたくさん綴られている。その言葉どおり、彼女は自分と同じ車いすユーザーが気軽に学べる、オンラインスクールを開講。ネイルのスキルはもちろんのこと、自らが考案した海洋プラスチックをアップサイクルするすべを惜しみなく伝えることで、障がいのある人の自立を助けようと試みている。もちろん、彼女の営むバリアフリーのネイルサロンも、多くの車いす女子や障がいのある人に、社会に一歩を踏み出す勇気を与える場になっている。環境保全に障がい者支援を加えた取り組みは注目を集め、彼女は今年「女性起業チャレンジ大賞」の特別賞も受賞した。

 

そんな彼女のモチベーションは、子供たちに誇れるような「かっこいいママになる」こと。しかし、病気のせいで退職した彼女を待ち受けていたのは大きな試練だった。

 

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