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「食欲には2通りあります。まず、生命を維持するための『ピュアな食欲(本当の食欲)』。そして、快楽のための『フェイクな食欲(ウソの食欲)』です。この2つの食欲を区別し、脳に認識させることが、ダイエットを成功へと導くカギなのです」

 

こう語るのは、『成功の食事法』(ポプラ社)の著者で、菅原脳神経外科クリニック院長の菅原道仁先生。菅原先生によると、「ピュアな食欲」とは、体がエネルギー不足のときに生じる欲求で、血糖値が低下しているときや胃壁が収縮しているときに引き起こされるもの。つまり、純粋に“おなかがすいた”ときに感じる食欲である。

 

いっぽう、「フェイクな食欲」とは、おいしそうなデザートをみたり、いい匂いを嗅いだりすることで、感覚中枢(視覚、嗅覚、聴覚などの五感の記憶)が刺激され、それほど“おなかがすいていない”のに湧いてくる食欲のこと。

 

「現代人はこの『フェイクな食欲』にだまされて、カロリーを取りすぎる傾向があるため、太りやすいのです。さらに、人間の脳はそもそも“怠けもの”にできているため、習慣化された食生活を変えることを避け、できるだけパターン化して考え、反射的に判断することを好みます。この脳の“怠けグセ”を意識し、思考を変えることによって、無駄なカロリー摂取は減らせるのです」

 

そこで菅原先生に、“怠けもの”の脳のせいで、ついカロリーを取りすぎてしまっている具体例と、その処方箋を教えてもらった。

 

【つい間食をしてしまう】処方箋・本当におなかがすいたから食べたいのか。間食をする前に考えるクセを脳に徹底させる

 

「まず手元にあるものを反射的に食べてしまう習慣を変えること。『ピュアな食欲』と『フェイクな食欲』の区別ができていないと、つい間食をしてしまうことになります。“今、本当にたべたいのか?”と考えるクセを脳につけることから始めましょう」

 

【なじみの店ばかりで食事しちゃう】処方箋・食習慣を変えるために、いつもと違う店に行く

 

「環境を変えると習慣が変わります。たとえばランチで、なじみの定食屋さんに行って、メニューも見ずに『いつもの!』とか『日替わり!』とオーダーしていませんか?これがダイエット的には危険なのです。初めて行く店なら、メニューをじっくり見て、カロリーのことも考えてから決めますよね。ほどよい緊張感があるのも、食べすぎを防ぐうえでは効果的。なじみの店だと、店長からカロリーの高いメニューをすすめられたときに、なかなか断りにくかったりもします。いつもの食習慣を変えることを、意識してみましょう」

 

【限定メニューに弱い】処方箋・店側の心理的なわなだと考えること

 

「制限をかけられることで、逆にそれが欲しくなることを『心理的リアクタンス』といいます。たとえば“1日限定10食”なんて聞くと、『今、食べないと、今度はいつ食べられるかわからない』と、無性に食べたくなってしまう。店側も客の健康だけを考えて商売しているわけではありません。売るために人間の心理的メカニズムを利用していることを知っておくべきです。限定だから食べるのではなく、冷静に一度立ち止まり、判断してから注文する。店舗のおすすめが、ダイエットをしている人にとってのおすすめとは限りません」

 

体重は“取るカロリー”と“使うカロリー”とのバランスで決まる。運動をして“使うカロリー”を増やすのもいいが、それには時間も手間もかかる。“取るカロリー”を減らすことを意識するほうが「ダイエット効果を出す近道になる」と菅原先生。

 

「今までの習慣化された考え方を変えることが大事。怠けグセのある脳を“ダイエット脳”に変えていけば、楽にやせることができるはずです」

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