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「肌、きれいね」。そう褒められたら、あなたはどう答えるだろう。「そうなの、ありがとう」ではなく、「とんでもない」「たいしたことないわ」と返す人が多いのではないか。謙遜ではなく、それが心の声だから。自分より美しい肌の人はたくさんいる、この程度ではおこがましい、と思うがゆえ、まず否定に走ってしまうのだ。

 

「なめらかで柔らかで、すべすべ。もともと日本人女性の肌は、世界がうらやむレベルです。それなのに、他人と比較して“私なんてまだまだ”と思い込んでいる人がなんと多いことか。じつは、この否定の気持ちが美しさから遠ざけ、自分の嫌いな肌、嫌いな顔をつくりだしてしまうのです」

 

そう話すのは、ナンバーワン・エステティシャンとしてアメリカを拠点に多くの顧客を持つジュミ・ソンさん。彼女は、日米で長く美容業界に携わり、4年半にわたってレディー・ガガの専属フェイシャリストを務めた経験を持つ。8月19日に初の著書『世界一のフェイシャル・マジック』(光文社)を出版、秋にはオリジナルのコスメも発売予定。

 

性別、人種、年齢を問わず、さまざまな肌に触れてきたジュミさんがたどり着いた結論は、“肌を美しくするのは、自分の内なる意識”ということだった。

 

「肌のお手入れも生き方も、道具や方法論に頼りっきりで“自分”がそこにいなければ、何も変わりません。逆に、つねに満足できず不安定だから、心が緊張状態に。こわばった心は頭や顔の筋肉にも影響をおよぼし、肌機能までも低下させてしまいます。だからまず、他力本願な自分を捨て、コリをほぐすことから始めましょう」

 

ジュミさんが提唱するマッサージに、難しいテクニックは存在しない。必要なのは、両手と鏡だけだ。それと、誰にも邪魔されない場所と、たった5分の時間。

 

「鏡に映った自分の目を見つめながら肌に触れ、こわばって硬くなったところを探します。心地よくなるまでゆっくり優しく押し、今日一日を振り返ってみましょう。そして、いいところも悪いところも“それが私。いいじゃないの”と自分を認めてあげてください。しだいに心と顔のコリがほぐれていくのを感じられるはずです」

 

たったこれだけ? そう、たったこれだけであなたの肌は確実に変わっていく。年齢も関係ない。

 

「人は40歳くらいから熟し始め、点が線になり、むしろ“これから”多くを楽しめるはず。下り坂などではありません。そして何歳からでも、あなたの美しい肌をつくれるのは、自分をいたわるあなただけーーそう知ってください」

 

「女性自身」2020年9月8日 掲載

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