■しわ・たるみに効く食べ合わせ
自分の写真を見て、思わずぎょっとするといった経験はないだろうか? 自分が脳内で思い描く姿より、しわやたるみが目立って、はるかに老けているからだ。この憎きしわ・たるみは、加齢によるところが大きいのはわかっているが、食べ合わせによって解消することはできるのだろうか。
「しわ・たるみの原因には、紫外線ダメージもありますが、糖化の影響も大きいと思います。特に糖化は、見た目年齢と体内の糖化が比例しているという研究データもあるほど。つまり、糖化が進んだ人ほど老けて見えるので、糖化によるAGEsを増やさないことが、若々しい美肌を保つ秘訣といえるでしょう」
糖化を抑えるには、血糖値を急上昇させないことがポイントだ。そのため、GI値の低い食品の活用はもちろんのこと、食べ方も影響するという。
「ひとつには、朝食を欠かさず食べることです。朝食を抜くとお昼前には血糖値が下がり、体は血糖値を上げるホルモンを分泌します。その状態で昼食を取ってしまうと、ホルモンの効果も手伝って、血糖値が急上昇。糖化が起こりやすい状況になるのです」
それでは具体的に、どんな栄養素を取る食べ合わせが効果的なのだろうか。
「しわ・たるみ対策には、タンパク質と、糖化を避ける低GI食品、それに抗糖化食材の食べ合わせが効果的です」
【しわ・たるみに効く食べ合わせ1:タンパク質×低GI×抗糖化】
〈タンパク質〉:ヨーグルト、納豆、豆腐、鶏肉など
〈低GI〉:オートミール、玄米、全粒粉パン、ライ麦パンなど
〈抗糖化〉:レモンティー、モロヘイヤ、酢、シナモンなど
タンパク質は鶏肉など肉類のほか、ヨーグルトや納豆、豆腐などにも多い。低GI食品は、小林先生おすすめのオートミール。それ以外には、玄米、全粒粉、ライ麦などがあり、抗糖化食材は、モロヘイヤやレモン、酢などがよく知られている。
「たとえば、低GIのオートミールに牛乳を加えてひと晩おくと、オーバーナイトオーツができます。これに、ヨーグルトや果物をトッピング。抗糖化食材であるレモンを浮かべた紅茶と組み合わせると、しわ・たるみに効く食べ合わせが完成します」
ほかにも、食べ合わせに必要な栄養素を含む食品から、好きなものを選んで組み合わせればOK。応用レシピは無限だ。ただ、しわ・たるみの原因は、皮膚だけにあるのではない。
【しわ・たるみに効く食べ合わせ2:ビタミンD×ビタミンK】
〈ビタミンD〉:焼きザケ、マグロ、きのこ類、チーズなど
〈ビタミンK〉:納豆、ワカメ、ほうれん草、小松菜など
「骨や表情筋の萎縮も、大きな原因です。特に骨は、加齢や閉経後のホルモンバランスの変化によって、萎縮が進みます。骨が萎縮すると、そのぶん皮膚が余ってたるんでしまうのです」
だが、骨というのは、常に分解と合成を繰り返し生まれ変わっている。だからいまからでも、骨の合成を促すことができるのだ。
「骨の合成に欠かせないのは、適度な運動と、栄養面ではビタミンDやビタミンKです。どちらもカルシウムを骨に沈着させて、骨の合成をサポートしてくれます」
ビタミンDを多く含むのはサケやマグロ、きのこ類など。ビタミンKは納豆やワカメ、ほうれん草などに多い。和食でよくある焼きザケと納豆の組み合わせは、たるみに効くベストマッチだ。
