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「今、『よもぎ蒸し』ブームが再燃しています。フェムケア(女性の体や健康に特化した製品やサービス)や温活の広がりによって注目され、最近では気分の上がるおしゃれなよもぎ蒸し専門サロンが、都市部を中心に数多く出店。10年ほど前のブーム時よりも、業界全体の技術や知識が成熟したように思います」

 

こう話すのは、10年以上よもぎ蒸しに通う愛好家で、よもぎ蒸しメディア「セルフキュア」代表のNonさんだ。

 

日本全国でよもぎ蒸しを提供するサロンは7,000店超(2023年時点)。今もその数は増え続けている。

 

そもそも、よもぎ蒸しとはどのようなものなのだろうか?

 

「『ハーブの女王』とも称される『よもぎ』を煎じ、その蒸気を下半身の粘膜に直接当てて、体を内側から温めていく温浴です。

 

よもぎは、古代から、良薬として使われてきました。日本でも江戸時代には冷え性や月経不順など、婦人科系の症状改善に重宝されていた記録があります」(前出・Nonさん)

 

現在の系譜のよもぎ蒸しは、600年前から韓国独自の健康療法として培われてきたものだという。

 

「よもぎ蒸しは、50代以上の女性こそおすすめ」。その理由を、薬学研究者で、前出・セルフキュアのRyoさんが教えてくれた。

 

「効果のイメージは『温泉療法+伝統漢方+アロマテラピー』です。主に(1)温熱効果(肩こり、冷え、血行、腰痛、便通などの改善)、(2)美容効果(デトックス、むくみ・肌荒れの改善)、(3)婦人科系疾患の緩和(更年期障害、生理痛、PMSの緩和や産後回復)、(4)リラックス効果が挙げられます」(Ryoさん、以下同)

 

マントを着用して「下から蒸気を浴びる」という独特な形式にも、こんな仕組みがある。

 

「薬は“粘膜吸収”が効率がよいとされています。そのため、すぐ解熱しなければならないなど、即効性が求められる場合に座薬を使うのです。よもぎ蒸しの漢方成分も、や肛門に当てることできちんと体に取り込まれます」

 

マントの中には蒸気が充満しているので、内側からも外側からも体を温め、血のめぐりがよくなるというわけだ。

 

「血行が改善すると、肩周りにたまりがちな『乳酸』などの疲労物質を流しやすくなります。こうして筋肉のこわばりがとれると、『肩こり』の改善も期待できるのです」

 

さまざまな効能があり、人気を集めるよもぎ蒸し。専門サロンに行きたいところだけれど、自宅で手軽に楽しむことができたら……。

 

今回はNonさんに、“セルフよもぎ蒸し”の方法を教えてもらった。

 

「用意するものは、乾燥よもぎ、よもぎ蒸し用の椅子、よもぎ蒸し用マント、電気鍋、水です。本格的なよもぎ蒸しセットも市販されており、最近は3万円台ほどで一式そろえられるようになっています。ですが、できるだけ節約したいという人は、家にあるものでもある程度代用できるので活用してほしいですね」

 

今回、取材をもとに、さらに安価なアイテムでよもぎ蒸しを楽しむ方法をまとめた。

 

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