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骨粗しょう症による骨折や、動脈硬化などによる脳血管疾患。これらの予防対策効果が期待されて注目なのが、今が旬のみかん。医学博士に、みかんの健康効果やおすすめの食べ方を教えてもらいました。

 

■疾病リスクを下げ、健康寿命を伸ばす働きに期待

 

みかんの産地・静岡県旧引佐郡(現浜松市北区)三ヶ日町の平均寿命がほかの地域よりも長いことから、“みかんは健康寿命を長くする要因の一つかも”という仮説を立て、’03年から同志社女子 大学の杉浦実教授と一緒に研究を開始しました。その過程で、みかんに多く含まれるβ-クリプトキサンチンという成分が、骨粗しょう症や動脈硬化などのリスクを低くすることがわかりました。ほかにも、みかんには抗酸化作用があり、腸内環境を整えるなどの体にいい成分が含まれており、現在も追跡調査を実施しています。

 

■おすすめの食べ方は皮をむくだけ

 

医学博士が教える「薄い皮や白いスジは捨てないで」正しいみかんの食べ方
画像を見る 果肉だけじゃない、みかんの各部位には体にいい成分が

 

・白いスジや薄い皮には

ヘスペリジンとペクチンが豊富! ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、活性酸素を除去する抗酸化作用や抗炎症作用があるといわれています。さらに血流改善、悪玉コレステロールや血圧を低下させる働きも。ペクチンは水溶性食物繊維で、腸内でゲル状に変化し排便をスムーズにしてくれる働きがあります。悪玉コレステロールの排出やインスリン分泌を抑える効果も。

 

・果肉には

β-クリプトキサンチンが豊富! 骨の代謝や動脈硬化の発症・進展には酸化ストレスが関わっているといわれており、血中β-クリプトキサンチンの抗酸化機能によって、そのリスクが低下すると推定されています。果肉にはビタミンCも豊富で、同じく抗酸化作用にすぐれ、皮膚や粘膜の健康維持や免疫機能を高める働きもあります。

 

・外の皮にも

皮にもヘスペリジンやペクチンが豊富。乾燥させた皮「陳皮」は生薬として昔から使われてきました。皮に含まれているさわやかな香りの成分リモネンはリラックス効果も!

 

■どのくらい食べるのがいいの?

 

β-クリプトキサンチンの働きを大きくするためには1日にMサイズのみかんを3〜4個(β-クリプトキサンチン3mg前後)が理想。ただし、みかんでおなかいっぱいになり、ほかの食品が食べられなくなってしまうのは本末転倒です。ふだんの食事に加えて無理なく食べる、あるいはカロリーの高い菓子類から置き換えるなどをおすすめします。

 

健康寿命を延ばす転ばぬ先の杖として、毎日3〜4個のみかん習慣をスタートしてみませんか?

 

【PROFILE】

中村美詠子さん
医師・医学博士 浜松医科大学 健康社会医学講座 准教授

お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業後、浜松医科大学卒業。公衆衛生学教育、食事・栄養と健康(生活習慣病、メンタルヘルス)に関する疫学研究に従事。産業医として働く人の健康増進にも取り組む。

出典元:

WEB女性自身

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