「年末年始は食べるものもバラエティに富み、多様な食品を楽しまれると思いますが、ぜひ、食べ合わせにも注目してほしいですね」
そう話すのは、順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授でアンチエイジング、長寿における権威の白澤卓二先生。この時期は、つい気も緩んで暴飲暴食をしがち。だが、それよりもさらに怖いのが思いもよらぬ“食べ合わせ”だという。そこで今回、年末年始によくある、思いもよらぬ“食べ合わせNG”を白澤先生が教えてくれた。
【カニ+柿=体を冷やすコンビ】
カニは美肌効果や強壮作用を持つタウリンが豊富で、低カロリー、高タンパク質。だけど体を冷やす食品。食べすぎは胃腸を傷めることも。なので、体を冷やす食材との組み合わせはNG。その代表格が柿で、体を冷やすだけでなく消化もよくない。
【エビ+レモン=薬効を阻害し中毒も】
エビは高タンパク質、低脂肪で糖質0の優良食品だが、エビに含まれる銅分(ミネラルの1つ)が、レモンのビタミンCを酸化させるので気をつけて。なお銅分は体内エネルギー合成や免疫機能の維持などの働きがある。
【にんじん+大根=ビタミンCを破壊】
メジャーな食材の2つだが、その調理法で悪い組み合わせに。注意点は生のにんじんと大根をとらないこと。にんじんのアスコルビナーゼが大根のビタミンCを破壊してしまう。これを避けるには50度以上の熱を加えるなどの方法が。
【アルコール+唐辛子=湿疹やかゆみが】
アルコールも唐辛子も血行を促進して温めるが、どちらも炎症を助長する。じんましんや発疹の出やすい体質の人が両方をとると、全身にかゆみが出ることもある。しょうがやにんにく、からしなども同様。
「今では、食品に含まれる栄養についてさまざまなことがわかってきています。今回の内容は、医学面、科学面、栄養学的な見地から見たものです」(白澤先生)