「英ケンブリッジ大学の研究チームが、閉経後の50〜79歳の健康な女性、約12万人以上のデータを分析。閉経後の体重の変化と骨折との関連を検証しました。研究チームは、体重が閉経前より5%以上減った人は、体重が変わらなかった人と比べて、股関節や骨盤の骨折が65%、手首から肩にかけた『上肢』の骨折が9%、腰骨や背骨など『体幹部』の骨折が30%増加していることを発表しました」
そう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。閉経後、体重が減ると「骨粗しょう症」になりやすく、骨折の危険性が高くなることは知られていた。
「しかし、体重増でも骨折リスクが高くなるのは注目です。調査では、体重が5%以上増加したケースで、足、太ももなどの『下肢』で18%も増加。『上肢』も10%と骨折のリスクが増えていました」
年齢を重ねることで、女性ホルモンの働きは鈍ってくる。それとともに、体はどんどん変化していく。とくに、骨は知らないうちに弱くなっていることも。今のうちから、骨を強化する生活習慣をつけたいものだ。
「そこで、私が関心を持っているのが『わさび』です。優れた殺菌作用で、刺身やすしには欠かせない薬味です。実は、あの辛味成分の『シニグリン』には、食欲増進、血栓予防、美肌やデトックスなどの効果もあるのです。なかでも期待されているのが『骨増強作用』です。『わさび』の抽出液で骨が強くなるという研究がさかんに行われています」
毎日、ティースプーン1杯程度の「生わさび」を食べればいいそうだが、「生わさび」は高価な上、そのまま食べるのは少し難しいもの。
「私は、ヨーグルトに、チューブの『わさび』を1〜2センチほど入れて、ドレッシングを作って、野菜スティックなどを食べています。これでヨーグルトからカルシウムも補えます。しかも、ピリッとした香りと味が食欲を増し、いつも以上に野菜を食べられるように。そんなおもしろい発見もありました」
女性ホルモンに左右されるのは、たしかに大変なことかもしれない。しかし、なるべく楽しみながら付き合えば、人生は豊かになるはず!