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「キャベツの表面にはもともと乳酸菌がついていて、塩をするだけで水分が引き出され、微生物が活動して活性化し、発酵します。食物繊維とビタミンCもたっぷりの“乳酸キャベツ”、腸のぜん動運動を促進して便通をよくします。腸がキレイになれば免疫力も高まり、自然治癒力がアップ。美肌効果も高く、美と健康にいいことずくめなんですよ!」

 

そう話すのは“レモン塩”の考案者で、料理家の井澤由美子さん。24歳の娘がいると聞いて一瞬言葉を失うほど、若々しいピカピカお肌の持ち主だ。そんな美肌さんが推す乳酸キャベツ、期待も大きくなるというもの!

 

2月に『痩せる! きれいになる! 病気にならない! 乳酸キャベツ健康レシピ』(マガジンハウス)を刊行し、NHK『あさイチ』などでとりあげられるなど、レモン塩に次ぐブーム健康食になること間違いナシだ。

 

「かんたんに言えば、キャベツの塩漬けです。ドイツ語ではザワークラウト、フランス語ではシュークルート。キャベツを漬けると乳酸菌がキャベツから出た水分にたくさん染み出てくるので、私が『乳酸キャベツ』という和名を付けました。作り方は基本的にザワークラウトと同じですが、日本人の味覚に合うよう、少し砂糖を入れます。甘みを加えるというより、味に丸みをつけて食べやすくするためです」(井澤さん・以下同)

 

ヨーロッパでは、昔から船乗りたちがビタミンCを補給するため、ザワークラウトを船に積んでいたそう。胃を保護するため、お酒を飲む前にザワークラウトのスープを飲む習慣もあるという。

 

「もともと、キャベツの栄養価はとても高いんです。胃液の分泌を抑えたり、粘膜の新陳代謝を促進するなど、胃腸にいい成分がたっぷり。ナチュラルキラー細胞を増やすのでがん予防にも効果的ですし、腎機能も改善するので血圧も安定。中性脂肪をコントロールして、代謝も上がります。継続的に食べることで痩せやすい体質にもなるんです」

 

また、発酵によってうま味成分のグルタミン酸が6倍以上になる。乳酸キャベツ自体を調味料としても使えるのだ。そんな、乳酸キャベツの作り方は次の通り。

 

【乳酸キャベツの作り方】

 

準備するもの/キャベツ……1個(約1キロ)。あら塩……小さじ4(キャベツの重量の2%)。きび砂糖……小さじ1/2(お好みで)。ジップ付き密閉袋(大)。ペットボトル(500ミリリットル3本ほど)。密閉ふた付き保存容器。

 

(1)キャベツの外側の葉をむく。半分に切り芯を落として4等分にし、洗ってよく水気をきる。そのまま千切りするか、数枚重ねて丸めて切る。細かく切るほど発酵しやすくなる。

 

(2)千切りにしたキャベツに味をしみこませるため、塩は2回に分けて入れる。最初に半分のキャベツをジップ付き密閉袋入れ、半量のあら塩(小さじ2)を入れる。

 

(3)残りのキャベツとあら塩(小さじ2)、きび砂糖(小さじ1/2)を加え、袋の上からなじませるようによくもむ。密閉袋(大)1枚に、ちょうどキャベツ1個が入る。

 

(4)余分な空気を抜いて、密閉袋の口を閉じ、500ミリリットルのペットボトル3本などで重しをする。そのまま常温で3〜6日置く。

 

(5)味をみて酸味が出たり、泡が立ってきたら、密閉ふた付き保存容器へ移す。好みでローリエ、クミン、唐辛子、クローブなどの香辛料を加えても。

 

(6)完成!冷蔵庫で約1カ月保存可能。日を追うごとに酸味が出て、うま味が深くなる。

 

「必ずミネラルたっぷりのあら塩を使って下さい。あら塩を入れたら、全体がしんなりするまで袋の上からしっかりもみましょう。キャベツは細かく切ると乳酸菌が発酵しやすくなります。ジップ付き密閉袋は新しいものを使用し、密閉ふた付き保存容器はしっかりと煮沸消毒した清潔なものを使いましょう」

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