哺乳瓶に入れてチュウチュウ吸う……わけではなく、マグカップに入れてお湯に溶かして飲むのが“大人のための粉ミルク”。栄養満点でダイエットのお供にもなると、注目を集めている。
“粉ミルク”と聞くと、赤ちゃんが飲むものというイメージが強いが、“大人のための粉ミルク”には、文字どおり、大人に必要な栄養素が詰まっている。「乳幼児用ではなく、大人向けの栄養素が入った粉ミルクはないか?」との声が、これまで何件もメーカーに寄せられていたことから、各社、開発に踏み切ったものだ。
’14年に救心製薬が「大人の粉ミルク」を発売したのを皮切りに、’16年には森永乳業が「ミルク生活」を。’17年には、雪印ビーンスタークが「プラチナミルク」を発売。各社とも、発売当初と比べて月間売り上げは2~10倍に増えていて、生産も追いつかない状態だ。
「大人のための粉ミルクには、体に吸収されやすいタンパク質や、骨粗しょう症を予防する良質なカルシウム、不足しがちなビタミン、ミネラルなどが入っています。手軽に必要な栄養素が摂取でき、かつ牛乳よりカロリーが低いので、お料理に活用すれば、栄養バランスのよいダイエットメニューが作れるのです」
こう話すのは、管理栄養士の望月理恵子さん。そこで今回、大人のための粉ミルクを活用した、栄誉バランス抜群のカロリーオフメニューを、望月さんに教えてもらった。「お正月太りを解消したい!」という人は、ぜひ参考にしてみよう。
「年末年始に夜更かしや朝寝坊をしていた人は、“体内時計”が乱れている可能性があります。朝すっきり目覚められなかったり、起きても頭がボーッとしたりするのは、そのせいです。また、体内時計が乱れると、代謝も落ちて、脂肪が蓄積しがちに」(望月さん・以下同)
“体内時計”とは、朝起きると活動的になり、夜になると自然に眠くなるといった人間の自然なリズムのこと。これを素早く元に戻すには、「朝食で、タンパク質と炭水化物を一緒に摂取するのが効果的」と望月さんは言う。そこでおすすめなのが、大人のための粉ミルクを使った“ミルク粥”。
「大人のための粉ミルクには、より吸収のよいタンパク質が含まれているので、お粥に混ぜて食べると、炭水化物とタンパク質が手軽に摂取できます。牛乳よりも、脂質が少ない大人のための粉ミルクを使うことで、カロリーダウンにもなるんです」
昼食は、午後からの仕事の効率を考えて、軽めにすませるのがベスト。
「お正月に残ったかまぼこや、お歳暮でいただいたハムの残り、それに根菜や葉物野菜など冷蔵庫の余り物を入れた“五目ミルクスープ”なんていかがでしょう。コンソメや鶏がらスープなどで味付けしたら、最後に大人のための粉ミルクを、お好みの量投入するだけです」
大人のための粉ミルクは味が濃くないので、どんなスープ料理に入れても本来のスープの味を損なわず、おいしくいただける。
ついカロリーオーバーになりがちな夕食は、大人のための粉ミルクを入れた、あっさり熱々のシチューやグラタンで体を温めよう。
「グラタンはカロリー高めなイメージがありますが、コクを出すために使う生クリームや牛乳の代わりに大人のための粉ミルクを使うと、あっさりに仕上がります」
また、「お正月に増えた体重を早く元に戻したい」という場合は、主食のご飯の代わりに大人のための粉ミルクを溶いた白湯を飲み、おかずは通常どおりに食べる、という方法もよいそうだ。
「夕飯を食べる前の空腹時に大人のための粉ミルクを飲むと、カルシウムの吸収もよくなり、かつ空腹感も満たされるので、そのあとの食事を食べすぎずにすみます」
無理なダイエットは骨粗しょう症の原因になる大敵! 大人のための粉ミルクを賢く活用して、健康的ですっきりした体を取り戻そう。