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「脳は全身からあらゆる情報を受けて、心身をコントロールしている“体の司令塔”です。痛みを感じた部位を直接もんだり押したりするのは、実は炎症を悪化させ、痛みを増加させることにもつながります。痛みを軽減させるには、患部を直接さわるのではなく、痛む部分と関連する頭の部分をゴシゴシさするだけでいいのです」

 

そう語るのは、36年前から約4万人もの体のケアをし続けてきたアスレチックトレーナーの大工ひとみ先生。その顧客はプロ野球選手、Jリーガーにとどまらず、俳優、モデルなど有名人も多くいる。頭を中心としたケア法は顧客から「驚くほどあっという間に症状が改善する!」と絶賛されている。大工さんはまさに“目からウロコ”のゴッドハンドの持ち主なのだ。

 

では、なぜ頭をさするだけで痛みが軽減するのか。それは、全身と頭蓋骨に大きな関連があるからだという。

 

「頭蓋骨はひとつの大きな骨ではなく、大小23個の骨が組み合わさり、丸く形成されています。頭蓋骨は柔らかい髄膜の上にあり、実は呼吸にも似たわずかな動きをしています。頭蓋骨のどこかにゆがみが生じると、ほかの骨に負担がかかり、頭蓋骨がロックされて動かなくなってしまいます。それがあらゆる体の不調の原因となっているのです」

 

そして、頭蓋骨の呼吸のような動きは、頭蓋骨内を満たしている脳脊髄液と関連性がある。

 

「全身からの情報は脳でキャッチされ、さらに脳から全身へ指令を出し、私たちの体は正常に動いています。その情報の授受のために必要な液が脳脊髄液です。脳、脳脊髄液、頭蓋骨は全身と強いつながりがあるのです。頭蓋骨がゆがんで脳脊髄液の量が少なくなったり、循環が悪くなったりすると、頭痛やめまい、首の痛み、耳鳴り、視力低下、倦怠感などの症状が出てしまいます」

 

脳脊髄液の量をキープして、循環をよくしておくためには、頭をさするのがベストな方法。頭蓋骨を本来あるべき位置に戻し、ゆがみを解消することが、体にとって何より重要なのだ。このケア法は「クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)」といい、痛みの症状を和らげて、人間が本来持っている自然治癒力を高める方法なのだという。

 

また、脳に酸素が行き渡らなくなっても、体に痛みが生じやすい。ストレスなどの心的要因や外傷、頭蓋骨のゆがみにより、脳内の二酸化炭素量が増え、脳が酸欠状態に陥ってしまう。

 

「脳が酸欠状態になると、圧迫されて、真空パックのような状態になってしまいます。脳の真空パック状態を解除する方法も、頭蓋骨のゆがみを正すこと。頭をさすることで解消されるのです」

 

大工さんは4月10日に著書『カラダのどこか痛いならあたまゴシゴシしなさい』(ぶんか社)を出版。不調に悩む方はチェックしてみよう。

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