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夏の終わりにやってくる“残暑不調”。自律神経の乱れで疲れが取れず、ついダラダラしてしまいます。とっておきトレーニングで、不調を解消しましょう!

 

「酷暑が続く季節が過ぎた秋口には“残暑不調”で悩む人が増加。だるくてやる気が出ないからといって動かないで過ごしていたら、さらに体調が悪化してしまう。ひいては慢性疲労症候群や全身の不調を招きます」

 

そう語るのは『女性自身』連載「血流講座」でおなじみの、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。新著『疲れたら動け!』(クロスメディア・パブリッシング)が話題になっている。ところで、残暑不調とは?

 

「酷暑、エアコンの効いた室内と室外の温度差、睡眠不足、冷たいものの飲みすぎなどは、自律神経を大きく乱します。そのダメージが体に蓄積し、だるさや疲れが取れなくなるといった不調が、残暑を迎えたあたりに出てくるのです」

 

残暑不調の症状でとくに目立つのが「慢性的な疲れが取れない」「だるくてやる気が出ない」だという。

 

「自律神経の乱れは血流を悪化させます。なんとなく疲れている感じが残り、動けなくなります。しかし、体を休ませると血流がさらに滞り、肩こりや冷え、むくみなどを招くのです。血流の悪化で全身の細胞に栄養や酸素が行き届かなくなります。胃腸の働きも悪くなったり、免疫力が落ちたりすることで、高血圧や糖尿病、心疾患や脳疾患など重篤な病気を招いてしまうのです」

 

残暑不調の解消には、どんな体の動かし方がいいのだろうか?

 

「毎日の暮らしのなかでこなしている家事にも、自律神経の乱れを整える運動が多く含まれています。体をひねったり、上に伸ばしたり、自然にさまざまな動きをしているのです。そんな家事に、ちょっとしたエクササイズやストレッチを加えることで、残暑不調をより効果的に解消できます。テレビやスマホを見ながらできる運動もあるので、ぜひ体を動かしてみてください」

 

そこで小林先生が「自律神経バランスが整うトレーニング」を伝授。

 

【1】「ゴミ出しダンベル」バランスよく筋力アップ

 

ゴミ袋を2つに分けて、左右の手で持つ。ゴミ捨て前に玄関先で、肩の位置までゴミ袋を上げて3秒キープを3回繰り返す。

 

「両手で荷物を持つことで、腕や肩の周辺の筋力をバランスよくUP。二の腕も引き締まります」(小林先生・以下同)

 

【2】「料理しながら首回し」首のこり解消も

 

腕を前に伸ばして、手首をクロスさせたまま、ゆっくりと首を回す。右に1周したら、次は反対に左回しを1周。それを3回繰り返す。

 

「普通に首を回すだけだと、体もつられて動いてしまい効果が半減。首のつけ根は交感神経が集まる場所があり、こりを解消することで自律神経のバランスが整います。料理の合間に回してみて」

 

【3】「テレビ見ながら顔ストレッチ」認知症予防も

 

顔のパーツを中心に寄せるイメージで、5秒間、顔をギュッと縮める。おでこを左右に広げるイメージで一気に顔の力をほどく。

 

「30種類以上ある顔の筋肉はストレスでこり固まっています。顔の筋肉のこわばりをゆるめることで脳内の血流も改善し、認知症の予防にも」

 

【4】「風呂に入りながら小林式呼吸」ストレス解消も

 

浴槽の中で手全体を脇腹にあて上に擦り上げながら、ゆっくりと息を吸う。手全体を下に擦り下げながら息を吐く。吐くときは吸うときの2倍の時間をかける。

 

「深い呼吸は自律神経を整えます。呼吸の長さは『1対2』(3秒吸ったら、6秒吐く)で。入浴中は血流もアップし効果倍増です」

 

【5】「スマホ見ながら肩回し」肩こり解消も

 

腕を前に伸ばして手首をクロスさせる。肩を前後に3回ずつ大きく回す。

 

「ストレスで力が入りやすくなる肩。スマホの画面を長時間見つめると、姿勢が前傾し、僧帽筋をはじめ肩こりの原因に。肩がこわばると全身の血流も滞ります」

 

【6】「トイレで手首揺らし」冷え解消も

 

背筋を伸ばして、左手で右手首を優しく握り、手首をブラブラさせながら肩まで30秒ほど揺らす。左右同様に行う。

 

「腕と肩関節の可動域を広げ、副交感神経の働きを高めます。手から肩の筋肉にダイレクトに刺激が伝わるため、体がじんわり温まり、冷え解消にもなります」

 

小林流自律神経バランスが整うトレーニングを日常生活に取り入れて、残暑不調を解消しよう!

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