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「友人の店で食べたその麻婆豆腐は山椒がとても効いていて、ふだんはすごく辛く感じるのに、なぜか『あれ? 辛くない……、おかしい』って思いました」

 

そう語るのは、新型コロナ感染にまつわる自身の体験談を発信し続けているGlobality CEOの渡辺一誠さん。いつもは風邪をひいても“全然食欲は落ちない”という渡辺さんだが、新型コロナウイルス肺炎発症後は珍しく食欲も減退していたという。

 

「食欲ゼロではなかったのですが、“食べようと思えば食べられる”ぐらいの感じだったのです」

 

自分の体調の変化に強い違和感を覚えた渡辺さんは、麻婆豆腐を食べた翌日の3月27日に、保健所にどうしても検査をしてほしいと訴え、入院することができたという。

 

医療ジャーナリストは言う。

 

「日本でも感染経路が不明の感染者が急増しています。“誰が感染してもおかしくない状況”のなか、自分や家族の体調のチェックを怠ってはいけません。早期発見や早期対応によって重篤化を防ぐこともできるのです」

 

私たちが気をつけるべき初期症状の例として参考にできそうなのは、WHO(世界保健機関)と中国の合同チームが作成したという報告書だろう。

 

「中国における5万件を超える症例により、患者に見られた多くの症状も記載しています。その報告書によれば、よく見られた症状の上位5つが『発熱』(87.9%)、『乾いた咳』(67.7%)、『倦怠感』(38.1%)、『痰』(33.4%)、『息切れ』(18.6%)でした。なかには『喀血』(0.9%)や『結膜充血』(0.8%)を訴えていた患者もいたようです」(前出・医療ジャーナリスト)

 

報告された症状は風邪やインフルエンザと重なるものも多いが、前出の渡辺さんによれば、これまで経験した病気とは異なっていたという。

 

「もちろん個人差はあると思います。たとえば私は味覚に違和感を覚えていましたが、同じく陽性だった友人には症状は現れず、それなのに友人の家族は味覚障害になっていたそうです。私の場合“風邪のひき始め”とは明らかに違っていたと思います。私の風邪は鼻水が出たり、鼻がつまったりすることが多いのですが、なぜかそういった症状はありませんでした。あと、だるくて熱は出ているのに、なぜかいつもの風邪のときのように汗をかかないのも印象に残っています」

 

実は中国で報告された患者のなかにも、渡辺さんと同じように“熱は出ているのに汗が出づらい”というケースがあったという。いっぽうで鼻水や鼻づまりを訴えていた患者もいるので、やはり個人差があるということだろうか。

 

「『風邪に違いない』『これはコロナだ』などと、自分で断定せずに、違和感を覚えたら相談窓口に連絡したほうがいいと思います」(前出・医療ジャーナリスト)

 

「女性自身」2020年4月28日号 掲載

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