71歳の現役医師語る「認知症さける食習慣」青魚は週2回

「今、日本に認知症の人は460万人以上、予備群である軽度認知症(MCI)までを含めると860万人以上いるといわれています。これから自粛生活が徐々に解除されても、外出を控える生活はまだ続くでしょう。そうなると、新たな発症者や、重症化する人が想像を超えて増えるのではないか、ということを危惧しています」

 

と警鐘を鳴らすのは、諏訪中央病院名誉院長で作家の鎌田實さん。巣ごもり生活が長く続き、人と会わない・接触しないことで、高齢者に限らず、まだ認知症とは関係のない中高年層も、認知機能が低下していく可能性があるという。

 

「今のような日常生活において、まず気をつけなければいけないのが食事。なかでも、野菜をとることがとても大事です。認知症を進行させるのは“慢性炎症(くすぶるような不調)”といわれていますが、野菜のもつ“抗酸化力”が、それを予防してくれるのです。β-カロテンやリコピンといった、赤・黄・緑の色素を、毎日できるだけたくさん食べるよう心がけるべきです」

 

そこで、71歳にして現役活動中の鎌田さんがみずから実践している“認知症予防のための食習慣”を紹介。その効果についても解説していただいた。

 

【食習慣1】野菜はジュースとみそ汁でとる

 

「厚生労働省は、野菜を1日350g以上食べるよう推奨しています。これをジュースにしたら必要量の約7割はとれるので、残りは、冷蔵庫にある野菜を使って具だくさんみそ汁を作ります。おすすめの具は、かぼちゃ・ブロッコリー・トマト・にんじん・きのこ・玉ねぎなど。基本はそのときにある野菜でかまいません。野菜には抗酸化力の高いポリフェノールが含まれていて、脳の神経細胞を保護し、認知機能の低下を抑えてくれる。腸にもいいので、免疫力もアップします」(鎌田さん・以下同)

 

〈おすすめ〉鎌田流野菜ジュース

「鎌田流の野菜ジュースは、小松菜やほうれん草などの野菜と、りんごやバナナなどの果物、牛乳かヨーグルトを合わせ、仕上げにえごま油を小さじ1杯」

 

【食習慣2】青魚を週に2回は食べる

 

「青魚(サバ、サンマ、イワシなど)には、EPAやDHAといった『オメガ3脂肪酸』が多く含まれていて、抗酸化力そのものが強い。なおかつ、悪玉LDLコレステロールを減らし、動脈硬化も防いでくれます。それによって血管も若々しくなるから、脳血管性の認知症も起きにくくなるのです。週に2回以上は、刺身か缶詰を食べましょう」

 

〈おすすめ〉サバ缶けんちん汁

「鍋に400ccの水を入れ、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃくを切って煮る。ここにサバの水煮缶1缶を汁ごと加えて、みそを小さじ2杯。最後に刻んだねぎを入れて完成。根菜類は冷凍食品でもOKです」

 

【食習慣3】えごま油をさっとかける

 

「えごま油に多く含まれる成分α-リノレン酸は、体内に入るとDHAやEPAに変わり、脳の神経細胞を活性化させます。僕はサラダやほうれん草のおひたし、豆腐やみそ汁にもえごま油を小さじ1杯かけています。ほかにも、白身魚の刺身にえごま油と黒こしょう、レモンを搾ってカルパッチョにするのもおいしい。認知症予防の万能調味料です」

 

鎌田さんの人生観は、PPH(ピンピンひらり)だそう。

 

「死ぬギリギリまで“ピンピン”していたい。そして、みんなに『サンキュー、グッバイ』がちゃんと言えて、“ひらり”といけたらいいなと思っています。85歳まで生きるとしたら、85歳まで、冬はスキー、月に1度はレストランに行って好きなものを食べる……みなさんもぜひ、食事や運動といった生活習慣を見直して、ピンピンひらりの生活を楽しく過ごしていただきたいですね」

 

「女性自身」2020年6月9日号 掲載

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