マッサージやストレッチで体の痛みは治らないと言うのは、多くのアスリートの治療に当たる専門医。原因は「関節のひっかかり」にあるというのだ。それを10秒で改善するエクササイズを紹介ーー!
新型コロナや猛暑を避けるため「巣ごもり生活」が長引くなか、腰痛や膝の痛み、肩こり(肩の痛み)に悩む人が増えている。
「マッサージなどを受けても、すぐに痛みがぶり返すという声をよく聞きます。そもそも痛みやこりはマッサージやストレッチでは治りません。痛みやこりは関節の“ひっかかり”から生じます。それを治すと症状が改善しますよ」
そうアドバイスするのは、「痛みの9割がたちまち消える 10秒関節リセット」(SBクリエイティブ)の著者で、フィジカルプロ治療院の羽原和則院長。数多くのアスリートの治療を手がけている羽原院長が注目しているのは「腰仙関節」のひっかかり。
腰仙関節とは、骨盤を構成する骨のひとつで、「第5腰椎」と「仙骨」の間にある関節で、小さいけれども動きが大きく、仙骨のいちばん上にあるため負荷がかかりやすいという。
「姿勢の悪さや生活習慣などが原因で関節がズレます。数ミリひっかかるだけで、骨膜を通って痛みが遠くに運ばれるため、体のあちこちに痛みが生じるのです。関節のなかのズレ、“ひっかかり”を治して関節が正しく動かせるようになりますと、痛みが和らいできます」(羽原院長・以下同)
そこで、羽原院長が考案したのが“10秒関節リセット”だ。ポイントは痛みを感じるほどやらないこと。
■肩の痛みのエクササイズ
肩こりの原因は、肩甲骨〜肩鎖関節〜胸鎖関節の動きがスムーズでないことにある。それぞれの骨、関節まわりをほぐして動きやすくしていこう。
【1】肩を回しやすい場所に座り、両腕を直角に曲げて頭の上に上げる。
【2】肩甲骨の動きを意識しながら、円を描くようにゆっくりと両腕を下ろしていく。
【3】今、円を描いた軌道を戻るように腕を上に上げていく。
【4】【2】〜【3】を3回繰り返す。これで10秒。
「肩の痛み」は肩から首にかけてある僧帽筋のこわばりが原因。
「僧帽筋と直接的につながっていませんが、第2〜第3肋骨の関節の“ひっかかり”を解消させると肩こりが劇的に改善することがわかっています。ひっかかりを解消するためにはまず、両腕を伸ばしたまま真上に上げて、腕がどれだけ耳の横にきているかチェックしてから、エクササイズをします。このように1日3回、毎日繰り返すと、体は確実に変わってきます」
しつこい関節の痛みとはオサラバしよう!
「女性自身」2020年9月22日 掲載