「今年に入り、多くの人が新型コロナウイルスの脅威におびえながら暮らしています。コロナに負けないためには、感染対策を徹底することと、免疫力と自己治癒力を上げること。それには、第一に“体を冷やさない”というシンプルなことがとても大切なんですよ」
そう話すのは、冷えとりアドバイザーの進藤幸恵さんだ。
進藤さんは、西洋医学を学んだ医師の進藤義晴さんの娘。義晴さんは患者に現れた症状に対峙して治療に専念していたが、西洋医学だけでは根本的な解決にはならないと、東洋医学を学び始める。約40年前に東洋医学をベースにした「冷えとり健康法」を提唱して以来、父娘二人三脚で多くの人たちの心身の悩みに関する相談に乗ってきた。
現在、進藤さんは“冷えとりの伝道師”として、「冷えとり健康法」を普及するべく、活動している。
東洋医学における「冷え」は「六淫六邪」(病気を起こす12の要因)のなかの「寒邪」を指し、万病のもととされている。そもそも人間の体は、生命維持に必要な臓器の多い上半身と、臓器の少ない下半身で体温差があるという。上半身は36度前後あるのに対し、下半身は31度前後しかない。このように上半身と下半身の体温差が開きすぎると、血の巡りが悪くなり、「冷え」が生じるのだ。
「だからこそ、重点的に下半身を温め、上半身の体温に近づけると、血の巡りがスムーズになり、『冷え』が解消します。すると、臓器の機能もアップして、自律神経が整い、免疫力が高まるのです。血の巡りがよくなると、気の巡りもよくなるので、心もポジティブになりますよ」(進藤さん・以下同)
下半身、特に足元を温めるには、「靴下の重ね履き」がとても有効だ。この冷え取り法は、石原さとみ、波瑠、吉岡里帆、水川あさみ、吉田羊など、美意識の高い芸能人たちも実践するメソッドだ。
足の裏は内臓と直接つながっていて、もっとも汗腺が発達している器官。運動をしなくても1日コップ1杯の汗をかくといわれている。足元を温かくしていると、体全体の血液循環がよくなり、内臓の働きが活発になるため、内臓にたまっていた毒も外に押し出される。その毒出しのひとつが汗であり、水虫や湿疹、かゆみ、腫れなどの症状として現れる人もいる。
靴下の重ね履きは、足元を保温することに加え、この毒出しの作用を高める。さらに足には全身と対応するツボがあるため、これらを刺激する効果も得られる。そして、24時間足先を保温すれば、免疫力をどんどん高めることができるのだ。
基本の重ね履きは、4枚の靴下を履く。最初に履くのは絹の5本指靴下だ。次に履くのが綿の5本指靴下(ウールでも可)。3枚目は絹の先丸(指なし)靴下。そして4枚目は綿の先丸(指なし)靴下(ウールでも可)。
「毒出しの過程で、靴下が破れることがありますが、絹は毒素を吸い、発散する働きが強いので、靴下の破れた場所で、体の悪い箇所が大体わかります。たとえば、足の裏の親指なら消化器・膵臓・脾臓、人さし指なら肺、中指なら心臓、薬指なら肝臓・胆のう、小指なら泌尿器系(腎臓・ぼうこう)と婦人科系などの調子が悪いということです」
自宅でもすぐにできる簡単な免疫アップ法、ぜひ試してみて!
「女性自身」2020年11月10日号 掲載