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コロナ禍の巣ごもり生活による影響から、悪化させている人も多い肩こり。多くの女性が抱えるこの悩みを解消するために効果的な、手軽に取り組めるエクササイズを紹介ーー!

 

「女性が訴える体のお悩みの1位は肩こり、2位は腰痛で、この傾向はもう何年も変わっていません。整体師として20年以上患者さんをみているうちに、これらの悩みを抱える人たちは背骨に問題を抱えているのではと考えるようになりました」

 

こう話すのは、鍼灸師、整体師の笠原章弘さん。最近はパソコンやスマホの長時間使用により、背骨がゆがみ、動きが悪くなってしまっている人が増えているという。

 

肩こりが起こるのは、肩の筋肉がこり固まって、筋肉内での血流が滞り、神経伝達が鈍くなるのが原因であることが多いとされる。筋肉が固まると、背骨も連動して動きが悪くなるのだという。

 

笠原さんは、肩こりと背骨の状態には密接な関係があり、肩こりを和らげるためには、まずは背骨を緩めることがカギだと指摘する。

 

「背骨は骨が結合してできており、骨と骨の間には椎間板があります。椎間板は柔らかく、クッションの役割をしていて、これが背中を蛇腹のように広げてくれるのです。この機能があるおかげで私たちは上半身を前屈、後屈、側屈と、広範囲に動かすことができています」(笠原さん・以下同)

 

ところが、パソコンの画面を見つめて同じ姿勢を長時間続けていたり、運動不足が慢性化したりすると、背骨を固定した状態が長時間続く。

 

「そうなると、背骨周辺の筋肉や椎間板も固くなります。それにより周辺の神経や血管が圧迫されますし、椎間板の柔軟性も落ちてしまいます。すると背骨も動きにくくなり、背中だけでなく肩の筋肉まで固まりやすくなるのです」

 

そこで、笠原さんがおすすめするのが、スキマ時間にできる「お尻ポンピング体操」だ。

 

やり方はいたって簡単。直立の姿勢から、かかとに重心を置いたまま軽くひざを曲げる。お尻を少し下げた状態から、お尻をかかとに向かって数センチ程度落とすような動きをポンポンポンポンとリズミカルに繰り返すだけ。1回に1分程度行えばOK。

 

■「お尻ポンピング体操」

(1)肩の力を抜いて、まっすぐに立つ。足の裏は床についている。
(2)両ひざを軽く曲げ、腰を落とす。
(3)さらに1〜2センチ腰を落とす。かかとに向かってお尻を落とすイメージで。このとき、ひざがつま先より前に出ないように注意。(1)〜(3)の動きをリズミカルに繰り返す。

 

※足腰に不安がある場合、はじめは机に手をついて行う。机に手をついてまっすぐ立ち、かかとにお尻を落とすイメージで。

 

「ポイントは、かかとを上げたり、ジャンプするのではなく、かかとに重心を置くことです。横から見たときに、背骨が垂直になるような姿勢で、ひざがつま先より前に出ない程度にお尻をポンポンと下げる動作が、背骨と周辺筋肉を緩める効果をもたらします。立ち姿勢のときに不安を感じる人は、はじめのうちはテーブルや椅子の背などに手をつきながらでも大丈夫です」

 

つま先に体重が乗ると倒れやすくなり安定しないので、かかとをしっかりと床につけて、“ひざを曲げよう”とするのではなく、“お尻をちょっと落とす”イメージで行うと重心が安定しやすい。

 

リズミカルな上下動作をこまめに継続することで、背骨の間にあるクッションが伸縮して、背骨を緩ませて整えてくれ、筋肉も和らぎ、肩こり、腰痛の解消にもなる。さらに体を動かすことで、自然と呼吸が深くなり、より多くの酸素を体内に取り入れることができるようになる。

 

1分程度の動きだが、掃除や料理などの家事の合間の時間に簡単にできる動作なので、1日に何度も取り入れたい。

 

「何か作業をしていても、90分もすれば集中力が途切れます。そのときにお尻ポンピング体操をしてみてください。慣れてきたら、肩を上下させる動作も加えるとより効果的です」

 

活動的な季節を前に、簡単エクササイズで全身のコンディションを整えていこう!

 

「女性自身」2021年4月13日号 掲載

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