■気管支や肺の病気を招く恐れも
王教授によると、飛散した花粉から放出されるアレルゲン物質は微小粒子で、それが大気中の粉じんや黄砂などの汚染物質と混ざることで毒性が高まるそうだ。もしそれが気管や気管支、肺まで侵入すると、気管支や肺の病気も招くというから恐ろしい。
公園や河川敷だけでなく、空気が汚れている幹線道路沿いなども、警戒すべき危険な場所であると認識しておきたい。“秋花粉”は自覚しにくいからさらに厄介だ。
「スギやヒノキといった樹木の花粉と雑草の花粉には“共通抗原性”(体がどちらにもアレルギー反応を起こす)があります。花粉はアレルギーの原因物質となるタンパク質の構造がよく似ているので、樹木の花粉症を持っている人の多くは、雑草の花粉にも反応します。われわれの研究では、理論上、スギ花粉症の人の4人に3人は、ブタクサ花粉症になる可能性があることがわかっています」
では、どのような対策をして、秋の花粉症を予防すればいいのか。
■「秋の花粉症」対策ルール5
【1】花粉ブロックスプレーや花粉対策メガネを使う
「コロナ対策と同様に、外出時のマスク着用は必須です。ただし、花粉のアレルゲンは微小粒子なので、不織布マスクをつけていても侵入する可能性があります。できれば、PM2.5やウイルス対応マスクがいい。布マスクやウレタンマスクは避けてください。市販の花粉ブロックスプレー、花粉対策メガネなども効果的です」(王教授・以下同)
【2】帰宅時は玄関で花粉を払い、すぐにシャワーを浴びる
「帰宅時は玄関先で花粉を払い、すぐに洗顔、できればシャワーを浴びることをお勧めします」
【3】室内を換気するときには、レースカーテンをする
「換気の際は、レースのカーテンを閉めてから窓を開けると、花粉の侵入を減らすことができます」
【4】換気後の床掃除は、水拭き→掃除機の順で行う
「換気後は、室内をこまめに掃除したほうがいいですね。ただし、いきなり掃除機をかけると花粉が舞うので、床や畳は水拭き。カーペットには粘着テープを使って、先に花粉を取り除くこと。掃除後にはすぐ空気清浄機を回す」
【5】花粉症用の薬をストックしておく
「花粉症の薬も自宅にストックしておくと安心できます」
秋晴れの日、乾燥している日はとくに花粉が舞うという。春だけでなく、秋の花粉症対策も万全にして予防につなげよう!
