■座りすぎが危険…リモートワークも要因
ぎっくり腰のなかで「最も痛みが強い」といわれるのが、椎間板に傷が入ることで起こるものだが。
「椎間板は背骨の骨と骨をつなぎ、クッションの役目をしている軟骨組織です。背骨が凝り固まっていると、多くある椎間板のうち、一部しか動かされません。すると、そこにばかり負担がかかり、傷ができて、裂けてしまうんです」
また、リモートワークなどでの“座りすぎ”も、ぎっくり腰の急増に影響している可能性がある。
「背骨は肋骨と接している範囲の動きが少ないのに対して、それ以外の首に近い部分や腰に近い部分の動きは大きく、その部分の椎間板に負担がよりかかりやすくなっています。特に、座っている状態は、腰の部分の椎間板に、常に圧力がかかる状態になります」
座りすぎで腰に蓄積したダメージと、運動不足による筋肉の衰え。そこに寒さが重なった現在の状況は、今までぎっくり腰になったことがない人も要注意だという。
「ダメージが蓄積され、耐えきれなくなって初めて痛みを感じる場合や、ある日突然、傷の発生とともに急な痛みが生じる場合など、じつにさまざま。まったく前兆なしに急になることも多いのです」
ぎっくり腰を防ぐには、筋肉が凝り固まらないように、ストレッチをしたり、お風呂などで温めたりするのが有効だという。