徐々に寒さが厳しく、温かい飲み物が恋しい季節がやってきた。コロナ禍の今は、単に温かいだけでなく体によいものを選びたい。
「冬の定番であるココアに生姜を加えた『生姜ココア』は、体が温まるだけでなく、健康効果も抜群です」
こう話すのは、医学博士で生姜を専門に長年研究している平柳要先生。
「生姜には殺菌効果や血流を促して体を芯から温める働きがあることが知られていますが、そのほかにも血管を強くしたり、血圧を調整する働きもあります」(平柳先生・以下同)
降圧剤を飲んでいた人が生姜も取るようにしたところ、「血液がサラサラになって血圧も下がった」というデータがあるほか、高めの血糖値を下げる、コレステロール値を改善するという働きもわかっているのだそう。
「こうした働きから、高血圧・糖尿病の予防や改善、さらに動脈硬化の改善が期待でき、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器疾患の予防につながると考えられます」
生姜は、胃の働きを促進し、食欲を高める生薬としても使われている。長年にわたり、薬としての効能も認められた食材だ。
「生姜にはジンゲロールという辛味成分が含まれています。ジンゲロールは体の表面に近い血管を広げて体を温めるほか、アルツハイマー型認知症など脳血管の炎症を抑制する作用があることがわかっています。さらに、このジンゲロールは熱を加えることで徐々にショウガオールに変化します。ショウガオールになると、血行を促進するだけでなく、抗酸化作用や抗炎症作用も強くなるのです」
抗酸化作用や抗炎症作用によって、アンチエイジング効果のほか、がんの予防も期待できる。