今回、4つのタイプの冷え症の対処法を伊藤先生に教えてもらった。
「自分がどのタイプの冷えなのか把握できたら、ツボ押しや漢方薬、カイロによる温めなどの対処法を実践してください。手が届かないツボは、ボールを使い押しましょう。おすすめは3号サイズのソフトボールです」
点数が同じだったり、高いものが複数ある場合は、2つ以上の型の「混合型」であることも。対策を順にやってみて、改善すればそれを続けてみよう。
【四肢末端型 冷え症】
押す場所:八風(はちふう)
「足の指と指の間、左右で計8つのツボで構成される『八風』は、指の先端の交感神経をゆるめ、細くなった動脈を拡張し血流を増やします。足の甲の、指と指のあいだの付け根にある関節の、すぐ手前にあるくぼみがツボです」(伊藤先生・以下同)
4つの指をツボにあて、垂直に押す。5秒押して休憩、それを5回繰り返す。1日2セット行う。
【下半身型 冷え症】
押す場所:臀中(でんちゅう)
「座骨神経にダイレクトに働きかけるツボが『臀中』です。この臀部のツボを押すと、硬くなった筋肉(梨状筋)の緊張がゆるんで座骨神経と交感神経の圧迫が緩和されます。お尻の痛みが取れると同時に下肢の血流が増え、脚の違和感や冷えが緩和します。3号のソフトボールを使用するといいでしょう」
膝を立ててあおむけになり、押す場所置いたボールの上にツボがくるように体重をかける。左右片方ずつ、体を45度傾けて押す。5秒押して、5秒休憩、それをそれぞれ5回繰り返す。1日1セット行う。
【内臓型 冷え症】
温める場所:中条流子孕(ちゅうじょうりゅうこばらみ)のツボ
「内臓型は、まずは漢方薬を服用するのがよいと思われます。『温経湯(うんけいとう)』という薬があり、手足や顔のほてりを軽減し、子宮や膀胱、腸管の血流を増やして温めてくれます。さらに、『中条流子孕のツボ』をカイロや温灸などで温めるといいでしょう。おへそを頂点とした正三角形の角で、一辺の長さは自分の唇の幅の長さです」
やけどの恐れがあるので、服の上から貼るカイロなどを貼る。つけたまま寝たりしない。
【全身型 冷え症】
押す場所:膏肓(こうこう)
「全身型冷え症のツボは『膏肓』といって、心肺機能を高めてコリを解消するための背中のツボです。慢性的な疲労感や倦怠感が、このツボを押すことで楽になります。肩甲骨の上から約2分の1の ところで、肩甲骨の縁の内側にあるのがツボ」
あおむけになり、背中の中心に向かうようなイメージでツボを押す。5秒押して、5秒休憩、それを左右それぞれ5回繰り返す。1日1セット行う。
4つの冷え症の対処法から自分にあった正しい対策で、冷たい体とおさらばだ!
【PROFILE】
伊藤剛先生
北里大学東洋医学総合研究所・北里大学客員教授。冷え症の専門家で、「冷え症外来」の第一人者でもある