■リズミカルな動きはセロトニンを増やしストレスにも効果が
なぜこの運動が、一酸化窒素を増産し、血流アップ・血圧低下につながるのだろうか。
「手を握ることで腕の血管が一時的に収縮され狭くなります。そして、手を開くと血管が開放されるので、血液がドッと流れて、血管の内皮細胞が刺激され、一酸化窒素の産生量が増えるんです」
力の入れ具合は、強すぎないことがポイントだとか。
「ほどよい加減で行ってください。強く握りすぎてしまうと、かえって血圧が上がってしまうこともあるので注意しましょう」
リズムニギニギは、血圧を測るタイミングに行うといいとか。起床時と寝る前に行うと忘れずにできるのでおすすめだそう。
この運動に加えて高血圧の方に向けた生活のアドバイスももらった。
「一般的によく言われている減塩・水分摂取は意識して行ってほしいです。私は患者さんによく、90分に1回アラーム音を鳴らしてお茶や水を200ミリリットルずつ飲むように伝えています。また、リズムニギニギをしながら、普通歩き3分・速歩き3分を1セットとして5セット繰り返すといったような運動もすることもおすすめですね」
ストレスをため込まないようにすることも血圧を上げないための秘訣だ。
「リズムニギニギのようなリズミカルな運動は、脳内に神経伝達物質のひとつであるセロトニンを増やす働きがあるといわれています。 セロトニンは、精神の安定や安心感を与えてくれる物質のため、ストレスに対しては非常に効能があります」
セロトニンの分泌は女性ホルモンと連動しているので、更年期障害の症状に悩む女性にもこの運動を推奨したい。
ストレス解消もできて、血圧を下げるのにも効果的な「リズムニギニギ」。あなたも毎日のルーティンワークとして取り入れてみてはいかがだろう。
【PROFILE】
工藤孝文
工藤内科院長。著書多数。ダイエット外来も