■50代以降に積極的にとりたいたんぱく質
寒さが厳しくなるこれからの季節は寒暖差による冷えや、ストレスからくる体調不良など、不調を招きやすい。こうしたトラブルにまず必須なのがタンパク質だと白鳥さんは言う。
「中年期以降になると、ぜひ、しっかりとっていただきたいのが良質なタンパク質です。肉や魚、大豆食品は、筋肉や内臓、血管や皮膚など、私たちの体を維持する器官を作ってくれます。体温を維持したり、血流に関係する器官も、タンパク質によって作られているのです」
しょうがやとうがらしなどの辛味成分は血流を促進するが、それは一時的なこと。
「持続的にエネルギーを燃焼させるためには、タンパク質は不可欠。でも、タンパク質をとりながらさらに辛味成分をとるのであれば、より効果が期待できます」
さらに、免疫力を上げたり、体の回復・修復をするのに取り入れたいのが、ブロッコリーやナッツ類、山芋、かぼちゃなど、ビタミン豊富な食材。
「ビタミンはタンパク質や脂質など、多くの栄養素の代謝や吸収を高める働きがあり、血流を促進したり、肌にハリやうるおいをもたらしてくれます」
ビタミンには水溶性と脂溶性があるが、どちらも必須だ。
たとえば、これからの季節は風邪の症状が出やすくなるが、血流を促進してくれる寒ブリは、脂溶性のビタミンEを多く含み、鼻水や鼻づまりの改善にも働いてくれる。
「肉、魚、卵にもビタミンは含まれていますが、緑黄色野菜には、ビタミンだけでなく、抗酸化作用があるポリフェノールも多く含まれているため、積極的にとってほしいですね」
■季節の旬のものは吸収がよく高栄養価
おくすり食材には、冬が旬の食材が多く入っているが、旬の野菜やフルーツは栄養価が高く、効率よく栄養素を吸収できるので、特におすすめなのだそう。
「牡蠣、青魚は強くおすすめしますし、かぼちゃ、大根、りんご、キウイフルーツなどもいいですね」
お酒の席も増えるこの季節は、顔や手足がぱんぱんにむくみがちになる。
「むくみは血流の悪化により体内に老廃物がたまった状態になって起こります。カリウムの多いキウイフルーツは水分の排出を促す働きが高いのでおすすめです」
ちょっとした体の異変や体調不良に気づいた時点で、必要な栄養素をきちんととると、回復も早くなるそう。
ただ、基礎代謝が落ちてくる中年期以降は、食べる量を抑えよう。満腹になるまで食べていると食べすぎになってしまう。
「若いころは消費できていたカロリーも、この年代から肥満につながりやすくなります。腹六~七分目くらいが適量でしょう」
これから迎える寒い季節。食事は重要な体調管理のひとつだ。