年の瀬もせまり、今年の振り返りや新年への決意を新たにする人も多い。
そんなリセット、リスタートのタイミングで取り入れたい“脳と心にやさしい習慣”を、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に教わった。
最近、笑っていますか?「笑う門には福来る」という言葉もあるように、いつも楽しそうにしている家には、おのずと幸せがやってくるという意味が込められているそうです。
笑うこと自体がストレス解消になりますし、楽しい気分のときにはドーパミンやセロトニン、エンドルフィンといった神経伝達物質が分泌されています。
神経伝達物質とは、人間の脳内で情報の運搬役として働く化学物質のことで、ドーパミンは「気持ちがいい」「心地よい」と感じると分泌されると言われています。
セロトニンやエンドルフインはやる気や幸福感をもたらすとされています。
さらに、さまざまな研究で笑うことは認知症予防に効果があると言われていて、介護施設や自治体の健康教室などでは、高齢者向けレクリェーションとして取り入れられているそうです。
心の健康をキープして、健康に過ごすためにも「笑うこと」は欠かせないのです。いつでもいい笑顔をキープできるように、「顔のストレッチ」を1日1回行うことをお勧めします。
やり方は簡単。大きく「あ・い・う・え・お」と声を出しながら、口を動かします。
「あ」では口を大きく開ける。「い」では口角を両サイドに広げるように。「う」は口をすぼめる。「え」は口を縦と横に大きく開ける。「お」では口を縦に開ける。
これをひとつの音ごとに5秒ほどキープするのがポイントです。
このストレッチをやると、顔全体の筋肉がほぐれて血流がよくなります。また、口角やフェイスラインが上がり、見た目が若々しくなります。マスク生活も長引いていますが、マスクを外したときにいい笑顔が作れるように、スキマ時間にぜひトライしてみましょう!
【PROFILE】
瀧靖之
東北大学加齢医学研究所機能が増医学研究分野教授。16万人を超える脳のMRI画像を読影、解析し、多くの論文を発表。脳の発達や加齢のメカニズムの解明に取り組んでいる