■疲労を軽減させる食べ合わせとは?
「酢のクエン酸には体の老廃物を排出し疲労を軽減させる作用があり、アサリに含まれるミネラルの吸収率も上げて体調を整えます」
さらに黒田先生は、「代謝を上げ、体温を上げることも肝要」と話す。
「体温を1度上げるとさまざまな免疫細胞が活性化され、免疫の働きは5~6倍まで上がることがわかっています」
そこで、代謝アップの“推し食べ合わせ”はというとーー。
「ズバリ、『しょうが×にんにく』です。しょうがのジンゲロール、にんにくのアリシンはともに血の巡りをよくしてくれる成分。ダブルの効果で代謝を上げ、体を温めてくれます」
そして、腸内環境を整えておくことも免疫機能を高めるために必要不可欠だ。
「免疫細胞の7割が集まるといわれるほど、腸は最大の免疫器官です。腸内環境を整えるには、善玉菌が重要。そこでオススメなのが『納豆×ワカメ』。納豆菌には善玉菌を増やす働きがあり、その納豆菌のエサとなる水溶性食物繊維を含むワカメと取ることで効果は倍増。私もよく食べ合わせています」
肥満になると免疫力が低下する!
ほかにも「発酵性食物繊維にも注目している」として、「キムチ×もち麦」の食べ合わせも推す。
「発酵食品であるキムチにも善玉菌が豊富に含まれています。そこに善玉菌のエサになる発酵性食物繊維のもち麦を加えると、腸内環境を改善し、腸を強くします」
ストレスや腸内環境のほかにも免疫力低下を招く要因がある。
肥満がその一つだというから驚きだ。
「肥満の人の場合、内臓脂肪に慢性的に炎症が生じている可能性が高く、免疫力が低下しやすくなるのです。また肥満の人は、高脂血症や高コレステロール血症、糖尿病、高血圧症などを併発していることも多く、それらの疾患も、免疫力低下に加担してしまいます」
肥満防止の効果が高い食べ合わせのなかで、とくに黒田先生オススメなのが「ブロッコリー×サケ」。
「ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、脂肪を燃焼しエネルギーに変えるミトコンドリアを増やすことが知られています。さらに、ミトコンドリアの燃焼作用を促してくれるのが、サケに含まれるアスタキサンチン。この、『ブロッコリー×サケ』は、肥満対策としては最強の食べ合わせです。味の相性もとてもいいので、ぜひ試してみてください」
最後に黒田先生はこうメッセージを残してくれた。
「免疫機能にしっかり働いてもらうためには、バランスのいい食事、十分な睡眠、適度な運動、そしてストレスを抱え込まないことが重要です。これらの基本をしっかり実践しながら、食べ合わせを意識すると、新型コロナウイルスだけでなく、ほかの病原体にも負けない、強い体を手にできるはずです」
食べ合わせを工夫して、コロナに克つ体づくりをしていこう!