気温が上がり、花粉症シーズンがピークを迎えようとしている。スギ花粉は3月に最もひどくなるが、今年は特に注意が必要そうだ。
環境省は関東・北陸・中国地方のスギの雄花についている花粉量が過去10年で最大となる見込みだと報告した。さらに4月には、ヒノキ花粉のピークが控える。
内服薬や目薬が手放せず、仕事や家事が手に付かないという人も多いだろう。実は、そんな花粉症には日々の食習慣が大事だという。
くすのき内科クリニック院長の楠正典先生はこう話す。
「『花粉症を撃退するために体質改善したい』と来院し、舌下免疫療法に取り組む方も増えています。舌下療法を試した患者さんのうち8割くらいに症状の緩和が見られています。しかしこれは、オフシーズンのゴールデンウイーク前に行い、次回以降の花粉症シーズンに備えて行うもの。今からだと、今年には間に合いません。そこで、まさに今できる花粉症対策は食生活の工夫です」
花粉症をはじめとするアレルギーの原因は、体内の免疫バランスの乱れ。改善策は腸内環境を整えることだ。
「そのために取るべき栄養素は、乳酸菌、オリゴ糖、食物繊維に始まり、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、EPA、ベータカロテン、甜茶ポリフェノールなどさまざまあります。一方で、揚げ物やアルコールは花粉症を悪化させてしまいます。意外なところだと、トマトも危険。スギ花粉のピーク時に摂取しないよう、注意が必要です」
■アレンジ無限でおいしい習慣を
取るべき栄養素のなかでも、簡単に摂取できて効果が高いものを教えてもらった。
「乳酸菌を毎日取ることが手っ取り早いです。乳酸菌は花粉症をはじめとしたアレルギー症状のみならず、便秘の解消や、生活習慣病やがんの予防改善など健康全般に効果があるので、毎日取って損はありません。乳酸菌を取れる食品は漬け物やキムチ、ヨーグルトなどさまざまありますが、習慣にするならアレンジもしやすいヨーグルトを食べるのがおすすめです」
ただし、食べた乳酸菌が腸に届いて元気に働くことが肝心。胃酸に弱いので腸までしっかり届く自分に合ったヨーグルトを選ぶことと、乳酸菌の働きをよくするために善玉菌が増えるようにサポートすることが大切だ。
「そのため、乳酸菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を含む食材をできるだけ併せて食べる工夫をしましょう」
ヨーグルトのサポート食材としておすすめなのが、食物繊維が豊富でオリゴ糖も含むきな粉だ。
そこで今回、「きな粉ヨーグルトドリンク」のレシピと簡単なアレンジ3種を管理栄養士の森下久美子さんが教えてくれた。
「ヨーグルトに、食物繊維とオリゴ糖を含むきな粉を混ぜることで、腸内の善玉菌を増やすことができます。これをベースにはちみつやメープル、アーモンドなどのナッツも好相性。自分なりのアレンジをしてみてくださいね」