■鼻毛の量でぜん息発症率も変わる! 鼻毛に着目したおもしろい研究があるのだそう。
「2011年にトルコで行われた研究で、季節性の鼻炎を持っている患者233人を対象に、鼻毛の量が『多・中・少』の人に分けて気管支ぜん息の発症率を調べたところ、『少』の人が45%、『中』の人が26%、『多』の人が17%でした。鼻毛がいかにフィルターの役割を担っているかがわかる結果です」(今井先生)
女性は男性に比べて体毛が薄いが、鼻毛にも同様の傾向がある。つまり、女性のほうが、フィルター機能が弱い傾向にあり、それが長期にわたって健康に影響を与えることは十分に考えられるのだそう。
「特に呼吸器関連の疾患は、年代を追うごとに増えます。40歳を過ぎてから、ぜん息や花粉症などのアレルギー疾患が増えることと鼻毛の濃さに相関があるといえるかもしれません」
今井先生は、鼻呼吸の大切さも訴える。
「口呼吸はフィルターのない状態と同じで、温度や湿度調整の機能も働きません。口呼吸をしていると口が渇きやすく、免疫力が低下するなどと言われますが、鼻で呼吸をすることの大切さはこういうところにもあります」