早食いの健康へのリスクはさまざまある(写真:PIXTA) 画像を見る

早食いの人は身長が縮みやすく、心臓血管病のリスクも高まるーー。こんな論文が今年4月に発表された。研究者は、大阪健康安全基盤研究所の清水悠路先生らだ。

 

「もともと血管の健康状態が悪いと身長低下を起こすことについて研究していたところ、早食いの人に身長低下が起こりやすいことに気づき、また、早食いの人は血管の健康が損なわれ、心臓血管病のリスクが高くなるということもわかりました」(清水先生・以下同)

 

早食いも身長低下も、そんなに珍しいことではない。早食いをする人は周りにも大勢いるし、高齢になると身長が縮むのもよく知られた話だ。しかし、そこに心臓血管病のリスクが潜んでいることは、意外と知られていない。

 

清水先生はこう説明する。

 

「早食いと身長低下の関係を紐解いていくうちに、どうやら早食いをすると、血管内で酸素がうまく回らず、血流障害を起こすことがわかってきました。血管内で酸素が十分に供給されないと、血液の量が足りなくなって、椎間板にも酸素が行き渡らなくなり、椎間板の変性が起こります。これが身長低下を招いているようなのです」

 

そして、そこからさらに研究を進めたところ、身長低下がある人は、高血圧の傾向もあることを突き止めたという。

 

清水先生が考えるメカニズムはこうだ。

 

「高血圧の人は、血液の中の酸素が不足しやすくなります。この状態は、身長低下を引き起こす要因であり、また、必要な酸素を十分に確保できていないので、ヘモグロビンを増やして不足した酸素に対応しようとします。そのため、高血圧の人は、血液中のヘモグロビン値が高い傾向にあります。つまり、早食いは血管内の酸素も血流も不足させるので、高血圧と同じような状態を作っているのかもしれません。高血圧は血管内皮障害を引き起こす危険性が高く、動脈硬化が発生する可能性も高いことから、心臓血管病のリスク因子となります」

 

つまり「早食い」→「身長低下」は、「心臓血管病」のサインというわけだ。

 

「早食いの人は、時間をかけて食事をする人に比べて、身長低下が起こるリスクが約1.3倍高いことがわかっています」

 

もしも早食いで、身長低下が気になる人がいるなら、心臓血管病による死亡リスクも上がっていることになるので十分注意したい。

 

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