■自治体での検査でがんを早期に発見することが、いちばんお金がかからないこと
【日常生活で困った】
(7)抗がん剤で頭髪が抜けてしまいウイッグが必要に
乳房切除や、抗がん剤治療による脱毛など、女性にとっては精神的負担が大きい。
「脱毛を経験する人は全体の約20%。ウイッグの使用期間は数カ月〜2年で、購入金額の中央値は3万8千円という調査があります」
“医療用ウイッグ”であっても、保険対象外であるため全額自己負担となる。
「しかし、ウイッグや、胸部補正具などに、1万〜3万円の自治体の助成が出るところが、22年4月末時点で307カ所(17.9%)あり、増加傾向にあります。自治体窓口等で相談してみましょう」
(8)サプリなど医療費以外にもお金がかかってしまう
ニッセンライフとNPO法人がん患者団体支援機構のアンケート調査によると、「がん治療費以外の年間費用」で、全体の24%を占め、もっとも多かった回答が「20万円以上から50万円未満」だった。
「差額ベッド代(個室利用で平均で8千300円ほど)や病院食、サプリやがん関連書籍など、治療費以外の出費も多い。
抗がん剤治療の帰りにはタクシーに乗ったり、食事の用意ができず総菜を買うこともあるでしょう。
がんの1年目は、50万〜100万円ほど、自由に使える貯蓄があれば安心ですが、余裕がなければ、がんと診断されると100万円など、一時金が支給される民間のがん保険なども、考慮することも重要です」
【がんになる前にがんを早期に発見したいがどうすればいいか】
→何より大事なのは、がんを早期に発見すること。
「自治体のがん検診は安価なので、ぜひ、利用したいです」
たしかに、乳がん検診のためのマンモグラフィーは、自費では5千円〜1万円ほどだが、自治体のがん検診を利用すれば、500円〜1千円で受けられる。いざというときに治療に専念できるよう、お金の不安を軽くしておこう。