「自分でよかれと思って習慣にしていることが、じつは目に大きなダメージを与えているかもしれないことを、ぜひ知っていただければと思います」
こう話すのは、二本松眼科病院副院長の平松類先生。最新著である『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(SB新書)で、平松先生が警告している目によくないNG習慣のなかから、とくに失明などの深刻な事態を招きかねないものを紹介したのが次の8つの項目だ。
【1】目薬を差したときにまばたきをするようにしている
目薬を差してすぐ目全体に行き渡らせるつもりで、まばたきするのは逆効果。目に薬液がたまらず、涙とともに薬の成分が鼻から口へ流れ出てしまい十分に薬効が行き届かない結果に。とくに緑内障の進行を抑える目薬をしている人がこれを繰り返すと目薬が効かずに病気が進行。最悪の場合、失明する危険性も。
「目薬を差した後、すぐにぱちぱちまばたきしている人がいます。薬の成分が目全体に行き渡るようにとしているのだと思いますが、逆効果。まばたきの圧力で薬の成分が涙とともに鼻から口へ流れ出てしまい、薬が効きません。以前、緑内障を患い、症状の進行を抑える目薬を処方していた60代の女性がいました。ところが、どんどん症状が悪化していくばかり。もしやと気づいて、私の目の前で目薬を差してもらうと、この点眼後のまばたきを習慣にしている人でした。このせいで目薬が効かず症状を進行させてしまったのです」(平松先生・以下同)
【2】ドライアイのため市販の目薬を使っている
目薬は1日の使用回数が決められている。ドライアイ用の目薬などはその制限回数を超えて差してしまいがち。その場合、市販の目薬の多くに添加されている防腐剤の影響で、角膜が傷つき、視力が低下してしまうことがある。目薬は用法・用量を確認して正しく使うこと。
【3】同じ目薬を1カ月以上使っている
目薬の容器は外から不純物を取り込みやすい構造で、1カ月以上使用していると、内部で雑菌が発生する可能性がある。こうした目薬で点眼すると、結膜炎などの感染症を発症し、視力が低下してしまうことも。開封して1カ月以上たった目薬は捨てるようにすること。