「昭和47年以前生まれ」の人は要注意!「はしか」大流行で、52歳以上は“脳炎死”の危険が
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■特効薬がないので治療は対症療法だけ

 

はしかは10日ほど潜伏期間があり、初期症状は普通の風邪と同じで、せきや鼻水、発熱など。

 

「発症3日目くらいから症状が強まり、40度を超す熱が出たり、結膜炎を起こしたり、全身にぶつぶつと赤い発疹が出てきて、1週間ほどで治ります。

 

インフルエンザに対するタミフルのような特効薬はないため、治療は高熱が出れば解熱剤を服用するなど、対症療法となります」

 

また、国立感染症研究所の資料によると、約30%の患者が合併症を発症するという。その半数を占めるのが肺炎。

 

「肺炎は高齢者の場合、死亡することもあります。脳炎を起こせば、錯乱したり意識レベルが低下したり、最悪、死に至ります」

 

1千例に1人は脳炎を起こすといわれている。

 

さらに、患者10万人に1人の割合で起こる亜急性硬化性全脳炎は、はしかに感染して7〜10年ほどで発症する中枢神経疾患。

 

「治療薬はなく、発症後は知能障害や運動障害が進行し、数カ月から数年で死亡します」

 

妊婦も要注意。感染すると、重症化しやすく、30〜40%の確率で早産や流産、死産となるというデータもあるのだ。

 

「はしかの死亡率は0.1%程度といわれています。ただし、コロナ禍でも経験したとおり、感染が爆発的に広がると医療崩壊が起きて、死亡率が上昇します。

 

2019年、フィリピンではしかが流行した際には、死亡率が3.2%だったと報告されています」

 

日本でもコロナ禍で人との接触が限られ、手洗いやアルコール消毒の習慣が続いているため免疫力が落ちているので、感染すれば症状が重くなることも考えられるという。

 

「過去2回のワクチン接種や感染歴がわからない人は、抗体検査やワクチン接種を検討しましょう。

 

自費の場合、抗体検査は5千〜8千円ほど、ワクチン接種は1回あたり9千円〜1万1千円ほどです」

 

“はしかのようなもの”と若気の至りとして扱われているはしかだが、決して甘く見てはいけない病気なのだ。

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