黄土色の尿、乾いた脇の下…梅雨から要注意の熱中症!医師が教える“脱水のサイン”
画像を見る 尿の色を確認するクセをつけよう

 

■体の各所に現れる脱水の印を見逃さないこと

 

そんな脱水症状を未然に防ぐために、ぜひ知っておきたいのがセルフチェックの方法。関根先生に自宅でできるセルフチェックの方法をいくつか教えてもらった。

 

「脱水症状になると最初に現れるのが粘膜の渇きです。口の中が乾燥している、目が渇いている感じがするときは体の水分が不足してきているサインです。同時に脇の下も人間の体の水分と関係する部位で、常にしっとりしているはずなのですが、脱水症状になると脇の下が乾いてきます」

 

次に、鎖骨の下あたりにある皮膚を3秒ほどつまんで離す方法。

 

「皮膚が元に戻るのに3秒以上かかるようであれば、皮膚のハリの低下がみられる脱水症状のサイン。手の甲の皮膚をつまむ方法もありますが、手より太ももや鎖骨下の皮膚のほうが、正確性が高いです」

 

爪押しも有効性があるという。

 

「指先を心臓の高さに上げたうえで、もう片方の親指と人差し指で指先を5秒間圧迫します。その指を離したときに、爪の色が元のピンク色に戻るのに2秒以上かかる場合は、体の中の水分量が足りていない可能性が。ただ爪を圧迫するチェックは、原因が別のものである場合もあるため、ほかのチェックも加えて行いましょう」

 

さらに観察したいのが尿の色だ。

 

「野外で活動をしたりスポーツするなど、急に汗をかくことで体内の水分が急激に減って尿の色が濃くなる場合もありますが、高齢者の場合は、高温多湿な場所で過ごしている間に、日々、取る水分よりも体外に出る水分の量のほうが多くなり、数日~数週間ほどかけてじわりじわりと脱水状態になっていく場合があります。これが一般的にいわれている“隠れ脱水症”というものです」

 

正常な尿の色は薄い黄色だが、赤、茶色が混じった褐色になると脱水症のサインの可能性がある。排尿の回数は一般的には1日に5~7回が正常回数とされているので、排尿回数を確認するのもいいだろう。

 

こうしたチェック法を組み合わせて行うことで、脱水状態を見逃さないようにし、暑い季節を健康に過ごそう。

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