「冬の月曜日の朝」は心筋梗塞が増える!? 医師が教える突然死防ぐ「体内時計」の整え方
画像を見る 午前中に太陽の光を浴びることで健康に(写真:アン・デオール/PIXTA)

 

■週末にズレた生活リズムを戻すために無理が生じる

 

冬に血管疾患が増える原因にはヒートショックが挙げられる。

 

空気の暖かいところから、寒い場所に移動して血管が急に収縮することで、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率が上がる。

 

月曜日は週末の間にズレた生活のリズムを戻すために無理が生じて狭心症が発生しやすい。

 

朝は、副交感神経から交感神経への入れ替わりが行われるため、急速に血液が流れ始めて心筋梗塞や脳梗塞、くも膜下出血、不整脈などが発症しやすくなる。

 

直接の原因は、血管壁の弾力低下や血流の悪化などにあるが、環境によるショックに体が対応しきれない状態になりやすいのが、これらの時間帯というわけだ。

 

また、体内時計のアンバランスは、メタボ、高血圧、糖尿病、うつ病、骨粗しょう症などの生活習慣病を招くこともわかっている。

 

「最近ではがん、老化現象、アルツハイマー型認知症も体内時計と関係があることも明らかになってきました。

 

たとえば、夜勤を含む不規則な勤務体系の女性の場合、乳がんのリスクはそうでない人に比べて2倍になることがわかっています。

 

体内時計が狂うと、細胞内の遺伝子も不調になり、免疫、自律神経、ホルモンのバランスやリズムなどが乱れてしまうのです」

 

こうしたリスクには男女差や年齢差もあると大塚先生は加える。

 

「女性は男性よりも不安感や感情調節障害を訴える頻度が高いことからもわかるように、ストレスに弱い傾向があり、突然死のリスクも高くなりがちです。

 

さらに、更年期でエストロゲンの分泌が減ると、体はストレスに対して一層弱くなります」

 

こうしたリスクに対する予防法は、なにより太陽の動きに合わせた生活リズムを送ること。それによって遺伝子の役割を最大限に働かせることができるのだ。

 

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