「年を重ねると視力の衰えが著しくなります。
それは徐々にというよりは45歳あたりで一度急激に低下し、次に60歳あたりで再び急激に低下するといったパターンになっています。
女性の場合は更年期や代謝能力の急な低下も視力の衰えに関連していると考えられます」
こう話すのは、『何歳からでも目が良くなる方法』(アスコム)の著者でブライトアイ代表の平賀広貴さん。平賀さんは、45歳の現在でも両目ともに視力2.0以上を維持しているという。
自分の視力をきっかけに目について研究していくうち、目によい生活習慣がわかってきたという平賀さん。
視力を維持する方法はさまざまあるが、運動や食事といった生活習慣の改善、特に食べるものを意識することで、視力の維持や改善が可能だという。
「目も体の一部です。人間の体が衰え始めるのは大体40代から。視力の衰えが現れるのもこのあたりからです。
40代以降は特に、タンパク質をしっかり取ること、そして血流をよくして毒出しをすることが大切です」(平賀さん、以下同)
代謝能力が落ちてくると、体が酸化、糖化しやすくなり、それが目の水晶体、毛細血管、網膜、目の筋肉である毛様体筋など、さまざまな働きに影響を及ぼすことになるのだという。
加齢とともに現れる目の症状を挙げてみよう。
まず、多くの人が悩まされる老眼。
40代に入ると徐々に近いものへのピントが合いにくくなり、小さい文字などが見えづらくなる。
これは、水晶体が硬くなり、目のピントを合わせる毛様体筋が衰えることで焦点が合いにくくなるから。
主な原因に血流不足による体の酸化が挙げられる。
高齢になると瞳が濁ってくる白内障は、水晶体の濁りが原因による目の病気だ。
ガラスのような水晶体が酸化することで濁り、見えづらくなったり、光をまぶしく感じるようになる。
酸化の原因には紫外線のほか、糖質過多の食事などが関係すると言われている。
視野が徐々に欠け、最悪の場合は失明する緑内障は、近視が進行すると発症率が上がる目の疾患で、一度なったら治りにくいとされている。
眼圧が上がることで、視神経が圧迫されてダメージを受け、視野が欠け始める。
加齢黄斑変性は、加齢とともに網膜の中心部にある黄斑に障害が生じて視野の中心が見えにくくなる。
これも酸化や血流不全、紫外線などが目に影響を及ぼす。
夜になると物が見えづらくなる夜盲症は、ビタミンAが欠乏して起こることでも知られている病気。
網膜にある色を感じる細胞と明暗を感じる細胞の機能低下によって起こる。
そのほかにも、目の表面が乾き、光がまぶしく感じたり、目に違和感を覚えるドライアイ、焦点の合っていない状態が続くことで頭痛や肩こりを引き起こす眼精疲労など、年齢とともに目のトラブルは増えてくる。
今回は、こうした症状を改善するのに必要な栄養素を平賀さんに教えてもらった。
どれもスーパーで買える日常的な食品ばかりだ。