■自覚症状がなくても感染している可能性がある
では、日ごろどういったことに気をつけるべきだろうか。
「やせ型の人に多い疾患なので、脂質・タンパク質をしっかりとってやせないことが大切です。
また、菌にさらされないように肺MAC症の感染の要因になりうるマスクなしでの畑仕事や、換気不良下での排水口清掃などを避ければ罹患予防につながるかもしれません」
それでも万が一、咳や痰などが続くようであれば、一度呼吸器内科の受診を。受診する目安としては、症状が3週間以上続く場合だ。
「もしつらい呼吸器症状があるようであれば、早めに受診しても問題ありません。ただし、一度でも血痰を経験したら、すぐに受診するようにしてください。
通常の風邪をひいたときに咳や喀痰はあっても、血痰が起こることはまずありません」
症状が咳や痰だけでは、つい「風邪が長引いているのかも」「年のせいだろう」と思い込みがちだが、長引く呼吸器症状があれば安易に考えないほうがいい。
また、自覚症状がない場合でも、健診やほかの疾患で受診した際に偶然発見されることもある。
「肺MAC症の疑いがある場合は、喀痰の中に菌がいることが証明されると肺MAC症と診断がつきます。
診断がついた場合は、無治療で経過を見ることもありますが、状態によっては3~4種類の薬を飲んで治療します。
これらの薬の併用で得られる効果が乏しい場合は、吸入抗菌薬で治療することもあります」
一度かかると治療期間が2~3年を超えることも珍しくなく、菌を完全に除去できないこともあり、治癒後も再発のリスクが伴う。
じつは高温多湿のほうがMAC菌は増えやすいとされる。
温暖化により、この謎の多い病の罹患者数が増加する可能性も。
もし咳が長引くことがあれば、病院の受診を検討しよう。
画像ページ >【グラフあり】肺MAC症罹患率の年次推移(他3枚)
