インフルエンザが猛威を振るっている今冬。特に九州地方では12月に感染が大爆発し、厚生労働省は手洗いや適切なマスクの着用など感染対策を引き続き徹底するよう呼びかけている。
インフルエンザをはじめ、あらゆる感染症のリスクが高い職業といえば、保育士だ。免疫機能が発達途中の未就学児は成人に比べてはやり病にかかりやすく、また園のほかの子どもからもうつりやすい。その壮絶さは、子育て経験があれば誰でもわかるはずだ。
子どもはマスクの着用も難しく、トイレや食事の介助、鼻水を拭くといった濃厚接触の機会も多い。感染リスクと隣り合わせの毎日を送る保育士たちは、一体どのような対策をしているのだろうか。
「職場の保育士たちに『何かインフル対策をしてる?』と聞くと、みんな『特別なことはしていない』と言います。でも、私も含め保育士が当たり前にしていることはいくつかあります。保育士として働くうえで自然に身についたこの習慣が、実はかなりの対策になっているのではないでしょうか」
こう話すのは、現役保育士として17年のキャリアを持ち、保育クリエイターとして講演会やイベントなどで活動するさとみ先生だ。ウイルス感染の最前線にいながら、先生自身、約10年は風邪をひいていないとのこと!
■菌を徹底的に落とし家に持ち込まない!
“無敵”の保育士を手本にすれば、徹底的にウイルス対策ができるのでは。そこで今回、さとみ先生をはじめ、保育士たちがふだん実践している感染症対策を伺った。
まず何といっても、“基本の徹底”を心がけているそうで――。
「園では、手に何かが触れるたびにすぐ手を洗っています。さらに、指と指の間や爪の間まで、時間をかけて丁寧に洗うようにしています」(さとみ先生、以下同)
また、感染症が流行している時期は、園や外出先にある共用の箱ティッシュをできるだけ使わないようにしているという。
「ティッシュを使うタイミングは食事のときや鼻水をかむときなど、飛ひ沫まつがついた手で触る機会が多いですよね。共用のティッシュはできるだけ使わないように、マイティッシュを持ち歩いています。飛沫などに触る機会を極力減らすようにしているんです」
自宅に帰っても感染症対策は続く。日中に着ていた服はリビングに持ち込まないようにすぐに部屋着に着替えるというワザだ。
「これを実践している先生は多いのではないでしょうか。私のまわりの保育士たちは、ここまで紹介したことは当たり前のこととしてやっていますね」
さとみ先生の家族が最近全員インフルに感染したときでも、この対策により、なんとさとみ先生だけ感染を免れたという実証つき。万全の対策をする一方で、保育士は日々感染症の子どもたちと接することで抗体ができ、感染症に強い体になっているという都市伝説的な話も聞く。
「科学的な根拠がないのでなんとも言えませんが(笑)。でも、ベテランの保育士さんになればなるほど、園でどんなに感染症がはやっても自身は感染しないというパターンはすごく多いです」
さとみ先生によれば、年じゅう園児が何かしらの感染症にかかるため、若手のうちはその菌をつどもらって寝込むそうだ。しかし、何年もたつうちに次第に感染症にかからなくなるという。
「以前勤めていた園でも、冬はインフルがはやり、若手はかなりの確率で感染していました。でも、ベテランの先生たちは感染していません。若手が感染症で仕事を休むと『あるあるだよね』とベテラン勢でフォローし合っています」
コロナ、溶連菌など、今や年じゅう何かしらの感染症が流行する世の中。「ウイルスを寄せつけない」保育士の習慣を取り入れて、この冬も元気に乗り切ろう。
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