もしかしてあなたは「家事が完璧な妻」を目指していませんか? 日本の女性の料理、掃除、洗濯は海外から見ればとにかく“やりすぎ”なのだそう!
「諸外国と比べ、日本の女性は家事をしすぎです」と警鐘を鳴らすのは、翻訳家として海外事情に精通している佐光紀子さん。昨年11月に『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』を出版し、話題を集めている。
「日本の女性が家事をしすぎてしまう理由は2つあります。1つ目は、夫が家事をせず、負担が妻に偏っていること。『日本は世界一、夫が家事をしない国』というデータもあります。またOECD(経済協力開発機構)の統計でも、夫の家事分担率は世界平均の半分以下です」(佐光さん・以下同)
日本同様に家事分担率が低かった韓国は、最近、女性の活躍によって意識が変わりつつある。日本だけが取り残されてしまう傾向にあるという。
「2つ目は、日本人が求める家事のレベルが高すぎること。海外と比べて、『完璧にやらないと』という意識が強く、手間をかけすぎる傾向にあります」
とくに「日本は料理に手間をかけすぎる」と佐光さん。
「フランスでは朝ご飯はカフェオレとクロワッサン。スウェーデンではヨーグルトにジャム、チーズとハムを並べるくらい。朝から熱を通すものは食べません。火を使うのはコーヒーくらい。イギリスは卵料理を食べますが、メニューを毎日変えないケースも。それに比べて、日本で理想とされる朝食は、温かいご飯に味噌汁、主菜に漬け物とまるで旅館なみ。前日に炊いたご飯の残りに漬け物などをのせたお茶漬けや、卵かけご飯で十分!」(佐光さん・以下同)
ランチや夕食も同様だ。
「アメリカやカナダは、ランチもピーナツバターやジャムを塗ったサンドイッチに、生野菜のスティックなどが多いですね。見た目にこだわる日本とはかなり違います。東南アジアでは、夕食は外食や総菜を買って帰ることも珍しくないそうですよ」
日本はコンビニやスーパーは総菜が充実しているのだから、大いに活用したい。
「作るのなら1品で栄養がたっぷりとれる具だくさんお味噌汁。忙しくてもすぐ作れますよ」
また、日本人は家族一人ひとりの好みに合わせて味付けを変える家庭も多いが、これにも疑問を投げかける。
「味の好みは人それぞれ。海外では、食べるときにおのおのが調整します。レストランでテーブルに塩とこしょうが置いてあるのはそのためです。薄味に作っておき、あとは好みの味に調味料で調整してもらうようにすれば、文句も出にくいし、楽ですよ」
食事後の皿洗いについては、毎食後に食器を洗う人はアメリカでは8.3%、スウェーデンでは7.7%。それに対し、日本では55.5%(P&G調査)という驚きのデータも。
「朝食や昼食がシンプルになれば、毎回洗う必要もなくなるはず。お茶碗がカピカピしないよう、水につけておくくらいでよいと思います。戦前までは、朝ご飯のお茶碗は白湯ですすいでそれを飲んで終わりだったみたいです」