何年貯蓄をしていても、なかなかお金が殖えない…という人もいる。そこで今回は、もっとも基本的な貯め方である「積立貯蓄」について、経済ジャーナリストの荻原博子さんに解説してもらった。

 

積立をしようと考えたとき、まず優先順位があると荻原さんはいう。最初に検討すべきは勤務先の財形貯蓄・社内貯金の制度。本人の申し出により勤務先が毎月の給与やボーナスから一定額を差し引き、貯蓄にまわしてくれるものだ。

 

「次に勤務先に財形などの制度がないという方は、給与振込み口座のある銀行で自動積み立てに振り返るシステムの手続きをするといいでしょう。金利はあまり気にする必要はありません。なぜなら、月額1万円か2万円程度の積み立てですから、金利は数円にしかならないケースが多いでしょう」(荻原さん・以下同)

 

ゆえに金利は無視して、給与振込口座から自動的に貯められるなど、積み立てやすさで選ぶのが着実に貯める近道だという。

 

「積立貯金をするなら自動積立で。一度積み立て始めたら、あとは忘れているうちに自然にお金が貯まっていくからです。自動積立のシステムに任せて、貯蓄していることを忘れてみましょう。あえて目標も決めずに、続けることに成功のカギがあるのです」

 

意思の弱い人の場合、積み立てを始めたら簡単には下ろせないように、印鑑を取り出しにくい場所に保管するなど、ひと手間かかる工夫も大切だという。

 

「継続は力といいます。20歳から月に1万円でも積み立てを続けていれば、40年で480万円にもなります。従来より減るかもしれない退職金や年金もカバーできる、心強い蓄えになります」

 

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