「この時期、受験生をもつお母さんから『子供のために何をしたらいいのですか?』という質問をよく受けます。思うように成績が上がらず、イライラする方も多いです」

 

そう話すのは、受験指導実績1,200人以上の経験を持つ「合格舎」代表の時田啓光さん(28)。時田さんは、偏差値35の高校生を現役で東大合格へと教え導いたこともあり、「東大合格請負人」の異名を持つ。東大だけでなく、有名国立大や医大など、多くの受験生を難関大学へ合格させてきた敏腕受験講師だ。

 

「本来、子供には特別な悩みはないのがこの時期。しかし、お母さんたちの言動がストレスとなり、集中力、やる気を失わせてしまうケースがあるのです」

 

では、母親がどのような態度で接すれば、子供たちの集中力をアップさせることができるのか?時田さんに7カ条の「秘策」を教えてもらった。

 

【1】必要以上に神経質にならない

「受験生にとっては、家族が居間でテレビを見ていたり、台所で洗い物をしていたりする音が聞こえるくらいが、集中できる環境なんです。静かすぎると、かえってちょっとした物音が気になります」

 

【2】過剰に世話を焼かない

「ふだん自分でできることをやってあげるのは、よくないんです。すっと問題集や参考書と向き合っていると、行き詰まることもあります。勉強以外のちょっとした行動は、子供にとってストレス発散になっているのです」

 

【3】失言したときのフォローを忘れない

「もしキツいことを言ってしまったと思った場合、それをフォローする言葉が大切。『お母さんも受験は初めてだから、心配しすぎちゃった』などと正直に言いましょう。お子さんはお母さんの心情を理解してくれますし、それだけ自分のことを思ってくれているのだと、うれしく思ってくれるはずです」

 

【4】点数だけで評価しない

「できないことを怒ってばかりでは、お子さんのやる気を削いでしまいます。また、ほかの子供と比較するのもお子さんを深く傷つけてしまう結果になります。人と比較するのではなく、お子さんの過去と現在を比べて、その成長度合いをほめてあげてください」

 

【5】次の行動を声に出して言わせる

「休憩から勉強に戻るとき、5分前になったら『はい、5分前〜!』というように、行動を声に出して言わせましょう。こうすることで『やるぞ!』というスイッチを自分で入れることになり、集中力が上がって、効率よく勉強ができるようになるんです」

 

【6】指先を使った遊びをさせる

「指先を使ってひとつのことに熱中すると、工夫する力、集中する力、折れない不屈の力が育ちます。手軽にできるのが、トランプをピラミッドのように重ねていく『トランプタワー』。最近は、作ったことがないという子も多いみたいですね。勉強の合間に、チャレンジさせてみてもよいと思います」

 

【7】寝具はこまめに干す

「睡眠は、その日に勉強した知識を整理・定着させる大切な時間。ほこりが舞っている部屋で寝ていたり、ずっと同じ布団を使っていたりすると、睡眠の質が悪くなります。晴れた日には部屋の空気を入れ替え、布団を干してほしいですね」

 

集中力は受験だけでなく、人生のさまざまな局面で必要になる。7カ条で、わが子に生きる力をつけさせよう!

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