政治資金の私的流用疑惑に端を発して16日、ついに辞職に追い込まれた舛添要一前都知事(67)。’13年と’14年の正月に約37万円で宿泊した、千葉県木更津市にある「龍宮城スパホテル三日月」がたびたびニュースに登場した。
「ホテル三日月」といえば「ゆったりたっぷりの〜んびり」で始まるCMソングでおなじみ。そしてもう1つ、日本人がCMで知っているホテルといえば「ハトヤ」だ。そこで、“CMは知ってるけど行ったことない”という平均的40代の本誌記者が、2大CMホテルに泊まりに行ってきた。
まず訪れたのは、静岡県伊東市にあるハトヤ。今回は海辺に立つ「サンハトヤ」に子連れで宿泊。緋色のじゅうたんと豪華なシャンデリアに昭和が薫るロビーで、原口茂社長(50)が迎えてくれた。
「奇術師として財をなした人物が準備段階で開業を断念した旅館を、創業者の原口清司が買い取ったのが始まりです。『ハトヤ』はハトの手品が得意な奇術師がつけた名前をそのまま使っただけ。テレビCMは昭和32年から。テレビ局から売り込みがあり、当時まだ無名だった野坂昭如さんが打ち合わせに来たそうです」(原口社長)
そう、ハトヤのCMは、作詞・野坂昭如、作曲・いずみたくのゴールデンコンビの作!放送エリアは毎年変えており、一部を除いて全国的に放送していたこともある。
着いたらまず、広いプールとお風呂だ。CMでおなじみの海底温泉では、アジの群れが泳ぐ水槽に子どもが大喜び!翌日、男女の風呂が入れ替わると、水槽には体長1メートルほどもあるウミガメが2匹も!これは楽しいぞ!!
数日後、今度はCMソング『空と海のホテル三日月』でおなじみ「龍宮城スパホテル三日月」へ。CMは’80年代に放送開始、現在も地域と期間限定で放送中だ。作詞は『およげたいやきくん』の伊藤アキラ氏、作曲は佐瀬寿一氏。
とにかく広い敷地は約5万6,000坪。到着するとまず、ギリシャ風からアジア風まで、一貫性なく並ぶ大量の銅像に目が釘づけに。「創業者のオーナーが海外で大量に買いつけてくるんです。全部で数百体はあります」と、広報担当者。廊下にもプールにもエレベーターにも、脈略なく銅像が現れるのは、ちょっと楽しい。
龍宮城は、男女合わせて80種と、とにかく風呂とプールが多い。東京湾と富士山を一望できるお風呂ゾーンを全裸で泳ぐと、ふだんは味わえない開放感が。そして、CMでもおなじみの、時価1億5,000万円の黄金風呂に入ると、なんだか運気が上がったような気が……。
宿泊する新棟・富士見亭に移動すると、何かが違う。ここには、銅像がない!5月20日にオープンしたばかりの富士見亭は、ふつうにオシャレで海外リゾートのようだ。2層吹き抜けのロビーから眺める東京湾が、広い!!昭和の世界から平成へワープした気分だった。
どちらのホテルも広いお風呂と懐かしいアトラクションで一日中遊べた。何より楽しいのは、古きよき昭和のおおらかさを感じられたことだ。一度訪れて、ぜひ脳内をあの歌で満たしてみてほしい。