ネットで“雷雨にも動じない鳥”と話題になっているハシビロコウ。その、じっと動かない姿が“奇妙でかわいい”と動物園の隠れた人気者になっているという情報を聞きつけ、実際に東京・上野動物園に行ってみた。

 

ハシビロコウは全長130cm前後、体重は5~7kgほどで、鳥類のなかでは大型に分類され、もともとは東アフリカのタンザニアやエチオピア周辺に生息している。和名は“嘴(ハシ)が広いコウノトリ”から名付けたと言われている。

 

なんとも言えない間合いがかわいいハシビロコウだが、近年は個体数が減少。現在は絶滅危惧種Ⅱに指定され、ワシントン条約によって国際取引が規制されている。

 

案内をしてくれた教育普及課の今西さん曰く、お土産グッズのなかでもハシビロコウのぬいぐるみやTシャツがよく売れていて、動く瞬間を撮りたいと開園から柵の前でカメラを構えている人もいるという。

 

この日は小雨が降っていたが、ハシビロコウの柵の前には、動く瞬間を見ようと待っている来園者たちの姿があった。その目線の先にいるハシビロコウは、確かにこちらを見つめたまま動かない。

 

しかし、数分後、おもむろに目の前の水路を見つめはじめた。そして、ゆっくりと羽を広げたかと思うと一気に水のなかに頭をつっこみ、泳いでいた魚を捕食した。

 

同動物園で約30年間、勤務している今西さんも「捕食しているところをはじめて見ました」と少々驚いた表情。動かない鳥が動いた、奇跡の瞬間だった。

 

(撮影協力/上野動物園、動画/Bravoworks,inc.)

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