〝余命1カ月の被災犬〟ごん太、元気です!

【動画】http://youtu.be/7KVNTT0_H40

本誌「シリーズ人間」が2号に渡ってお伝えした〝余命1カ月の被災犬〟をご存知だろうか。まず、本誌7月5日発売号では、動物救援ボランティアの玉田久美子さんと、震災事故の被災地である福島・浪江町からレスキューされた犬たちのことをリポートした。そのなかに、悪性リンパ腫に冒され「余命は1~2カ月」と獣医師から診断された被災犬がいた。飼い主の見つかっていないこの犬は、玉田さんたちから仮に「トトロ」と呼ばれていた。本誌は誌面でこのトトロの飼い主に「最後にもう一度、この子を抱きしめてあげて!」と呼びかけた。同記事は多くの読者の反響を呼び、編集部には「あのワンちゃんは元気?」などなど、問い合わせが相次いだのだ。

imageそして約2カ月。本誌9月6日発売号では、本誌の記事が呼び水となり、読者の心配する声やトトロを思う気持ちが奇跡的に繋がり、飼い主が見つかった様子を報じることができた。飼い主は現在、福島・本宮市に避難生活中の石沢さん家族。浪江町で老舗の食堂『宝来軒』を営んできた一家だ。そしてトトロの本名が「ごん太」ということも判明した。
石沢さん家族と、ごん太の感動の再会シーンを詳報したほか、被災後の避難生活や、読者の思いが次々と繋がってごん太の情報が石沢さんの目に留まるまでを伝えた。

そして、あれからさらに1カ月が過ぎた。ごん太はまだ元気に玉田さんのもとで暮している。「投薬治療が奏功したのと、なにより、飼い主さんご家族と再会できたことで、生きる張りが出てきたように見えます。最近はごはんもよく食べますし、私の目には、保護した当初より元気に見えます」(玉田さん)

確かに、当初取材に訪れたときより、毛づやもよく、動きも軽やかに見える。ただし、リンパ腫が完治したわけではない。アゴの下にできた腫瘍は、1カ月前よりもさらに大きく膨らんでいる。左脇には新しい腫瘍も。うんちが緩いときも少なくない。いつ症状が暗転してもおかしくはないのだ。でも……
「ごん太はきっと、まだまだ頑張ってくれると思います」(玉田さん)

無駄吠えをほとんどしないごん太が、今回の取材の最後に大きな声で「ワン!」と鳴いた。その声は「病気なんかに、原発事故なんかに負けない!」と言っているように、記者の耳には聞こえた。

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動物救援ボランティア玉田久美子さんブログ
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