宝くじ研究家の山口旦訓さんが「信じられない!宝くじ史に残る売り場の誕生ですよ」と驚く売り場が、栃木県に誕生した。東武伊勢崎線・足利市駅から徒歩約10分、住宅地に「宝くじ」の看板が目立つ「吉田菓子店」がそれだ。
その名のとおり、古くからあった雑貨兼お菓子屋さんが27年前、ビルに改築。その片隅で、宝くじとお菓子を売る小さな売り場から、’14年のグリーン1等前後賞5億円、サマー1等前後賞6億円が立て続けに出たのだ。
「どんな小さな売り場でも1本の大当たりは珍しくありません。でも半年に2本は奇跡。なにしろ計11億円は、’14年の当たりとしては東京、大阪の有名店をしのぎ日本一。ありえないことです」(山口さん)
さっそく奇跡の売り場の店主、吉田清子さんを直撃した。
「33年前、近くに大きなスーパーができてお菓子が売れなくなり、何か別のものを、と宝くじを始めたんです。売り始めて半年くらいでした。わずか200枚しか売っていないくじから1等1千万円が出たんです。そのときから、この売り場は何かツキがあると、ずっと信じてやってきました」
今回のグリーンでは、最終日に売ったバラのくじ中に1等の当たりくじがあったとか。残念なことに今回のオータムは売り切りのため、吉田菓子店の販売枚数は少なめ。早ければ2〜3日で売り切れる可能性もあるとのこと。
じつはツキまくっているのは吉田菓子店だけではない。’14年は北関東3県(茨城・栃木・群馬)の当たり年。すでにジャンボ1等前後賞だけで、計38億5千万円の大当たりが出ているのだ。
【茨城県・折原商店】ドリーム1等後賞4億5千万円
「1等の人はまだ見えません。今年になって『じつは3年前、娘の就職が決まった直後に100万円が当たって、家族で海外旅行に行ったんです』とか『義母の一周忌を前におカネがなくて困っていたら、高額が当たって、立派な法事ができたんです』など、常連さんから次々に打ち明けられて。この商売をして、よかったと思っていたら、ドリーム1等。福が福を呼ぶって、こういうことなんですね」(店主・折原みつるさん)
【栃木県・宝積寺バイパスCC】サマー1等前後賞6億円
「地元スーパー『とりせん高根沢店』の店頭にある売り場ですが、JR宝積寺駅から近く、御利益がありそうな駅名を店名に拝借。効果が本当にありました」(大塚正明店長)
【群馬県・伊勢崎スマークCC】ドリーム1等前賞4億5千万円
「ドリーム発売直前に世界遺産決定のニュースがあり、地元は喜びムード一色。いいことがありそうな雰囲気でした。そうしたら、本当に1等が出てびっくり」(湯舟正樹店長)
【群馬県・スーパービバホーム高崎ロッタリーショップ】ドリーム1等前後賞5億5千万円
「ドリームの直前、常連の60代の主婦の方が人目を忍ぶように売り場に来て『昨日、ここで買ったスクラッチで100万円当たっちゃった』と、くじを差し出したんです。手がぶるぶる震えていて、私が確認したのを見届けたらさっと姿を消しました。よほど誰かに教えたかったんでしょう。その喜びに導かれるように、直後に5億5千万円がきました」(販売員・高橋富士江さん)
このほか、栃木県「みずほ銀行宇都宮支店」と群馬県「前橋吉岡カインズCC」からも、億超えの当せん金が出ている。それにしても、どうして今、北関東3県に大当たりが集中しているのだろう。
「やはり大きな原動力は、富岡製糸場の世界遺産決定。これで北関東全体の運気が上がりました。’13年に富士山が選ばれたとき、静岡や山梨で1等が続出したのに似ています」(山口さん)