東電が切り捨てる〝福島の親子たち〟3万6千人!
東京電力の補償指針を決める原子力損害賠償紛争審議会で、自主避難者がまったくの補償対象外になりかねないという事態になっているという。9月21日に行われた審査会の傍聴者は語る。「審査会では『4月22日以降に自主避難した人たちへの賠償はいらない』という意見が支配的でした」(傍聴者)
自主避難者とは、政府が定めた避難区域(警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域、特定避難勧奨地点)以外の地域の住民で、放射能の危険から逃れるために自ら避難することを選んだ人たちのことをいう。
「政府が避難区域を公示したのが4月22日。この時点では原発事故についての情報が不十分だったから、それ以前の自主避難者は補償する方向で検討中です。しかしそれ以降に避難した自主避難者については『政府が避難すべき地域を指定したのに、それ以外の地域から避難したのだから補償する必要はない』という意見が出ていました」(前出・傍聴者)
避難した日が遅かっただけで一切の補償がなくなりかねないというこの事態に、自主避難者たちから怒りの声が上がっているという。
「実は、9名しかいない審査会の委員のうち2名が、電力会社と繋がりの深い団体から報酬を得ていたことが分かったんです。これでは東電に有利な補償案だと指摘されても仕方がない。枝野幸男経産相も『公平性に影響はないのか』と指摘しています」(社会部記者)
8月時点での福島県での自主避難者数は推定3万6千人とされている。彼らの叫びは届くのか――。