荻原博子さんが試算「民主党政策で年収300万円世帯に迫る危機」
国税庁の調査によると給与が年収300万円以下の男性が、平成22年に全体の23.4%を占め、ほぼ4人に1人が年収300万円以下という結果となった。現在、民主党が打ち出している増税政策。それが実現した場合には、今後さらに低所得者割合の増加が予想されるという。
「民主党が政権交代をしてからの2年半で、見事に期待は打ち砕かれました。目玉政策『子ども手当』はこの4月から『児童手当』に戻り、当初予定されていた子ども1人当たり月額2万6千円という金額は、1万円に減額されます。消費税増税など、家計にムチ打つ政策の議論ばかりが進み、私たちの暮らしはどんどん貧困に向かっています」
そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。では、民主党政権がスタートした2009年と比べて、今後年間でどれほどの負担増が予定されているのか。そこで荻原さんに、年収300万円のサラリーマンの夫、専業主婦の妻、10歳と5歳の子どもの4人家族をモデルに解説してもらった。
「『児童手当』に戻ると、子ども2人で年間7万2千円負担が増えます。また、所得税と住民税の年少扶養控除廃止による増税と、復興税として所得税に2.1%、住民税には1世帯一律千円が増税され、負担額は10万3千円に。それに消費税増税を加えた場合、8%で合計23万6千920円。10%では合計27万8千200円の負担増となるんです」
消費税を除き、子ども手当の減額分と所得税、住民税の増加分が年収に占める割合を計算しても、いちばん負担が大きいのが年収300万円世帯。生活は相当厳しいものになるはずだと萩原さんは話している。