きれいに治して再発させない「女性の病気」の”神の手”名医6人

「女性特有の悪性腫瘍の場合、患者の術後の生活や精神面を考え、できるだけ体の損傷や傷口を小さくして、いかに完璧に悪い部分だけを取るか。そこに医師の腕が問われるのです」と話すのは聖マリアンナ医大助教授を経て、現在は神経内科医および作家として活躍する米山公啓さん。

子宮がん、卵巣がんは転移が心配されるところは全部取ってしまうのが、これまでの婦人科だった。しかし、大きな傷痕に心を痛める人も多い。こうした患者の思いと再発というリスクのはざまで、いかに患者に寄り添った手術を行い、両立させるかが名医の条件だと米山さんは話す。そんな名医のなかでも”神の手”を持つ6人を米山さんは教えてくれた。

滝澤憲先生【がん研有明病院レディースセンター長・婦人科部長(副院長)】東京都

「がん研有明病院は子宮がんの手術件数で毎年国内トップ。その現場をひっぱる先生ですから、モチベーションが非常に高い。技術力ももちろんトップクラス」

櫻木範明先生【北海道大学病院婦人科教授】北海道

「子宮摘出の際、残すべき神経組織をていねいに残すことで排尿障害などの合併症防止を図る、『北大式』というオリジナルの手術法を生み出したことで有名です。また、櫻木先生は患者とのコミュニケーションを取るのがとても上手だとお聞きしています」

吉川裕之先生【筑波大学附属病院産婦人科教授】茨城県

「大学病院には進行したがんや取りにくい場所にできたがんなど、むずかしい症例の患者が多い。そのなかで高い生存率を上げているのは技術的に確かな証拠」

藤原恵一先生【埼玉医科大学国際医療センター婦人科腫瘍科教授】埼玉県

「オリジナルで子宮摘出手術時の神経温存術を発案した経歴からも、まさに自分の腕ひとつで道を切り開いてきた医師。卵巣がんの手術にも定評があります」

安藤正明先生【倉敷成人病センター】岡山県

「消化器がんの腹腔鏡手術は保険治療が認められているのに、婦人科のがんに認められていません。これは厚労省の怠慢です。にもかかわらず、安藤先生は高額な腹腔鏡手術をすでに8千例以上成功させています。高額(140万〜200万円ほど)でも、それだけの患者がやってくるということだけで、先生の腕がわかるというものです」

澤田富夫先生【さわだウィメンズクリニック】愛知県

「不妊の名医と言われる先生は何人もいますが、澤田先生の特徴は卵管鏡下卵管形成術。手術後の妊娠率は30%を超えているとか。この数字は見事です」

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