「長引く不況とデフレ下にあって給与カットは当たり前。突然雇用がなくなってもおかしくない時代です。そこで、家族の生活を守っていくためには家計を縮小し、万一に備えて基礎体力をつけておくことが急務。いまは守りに徹するときなのです」
そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。デフレ化のいま、少しでも多くお金を貯めることが重要だという彼女が説く「貯蓄の法則」は次のとおりだ。
1.自分に会った貯蓄術を探そう
2.欲は出さない
3.守りが肝心・預金は簡単におろせないように
4.マイホーム志向を捨てる
5.食べ物も家電も使い切る
「収入が多くても出費が多すぎて貯蓄ゼロのご家庭も。一方で手取りが少なくても蓄えに回せる人もいます。そのためにはまず、自分に合った方法で貯ためること。節約も才能で、買わない生活に喜びを見いだせる人もいます。一方、少しは使わなくてはダメな人も。こういう人は収入を増やすためパートに出たり、より長時間働くことをお勧めします。貯め方も長いスパンでコツコツ続けられる人と、短期集中型があります。自分にどんな貯め方が合っているのか見極めることです。
また、欲を出さないほうが増える時代です。デフレ下では持っているだけでお金の価値は上がります。貯まったお金を増やしたいなどと欲を出すことは厳禁。こんな時代ですから逆に減らしてしまう可能性大です。
せっかく貯まったお金を簡単におろさないための工夫もしましょう。ストレスがたまりつい使ってしまう人もいます。そうした人は、安易におろせないよう少額でも定期預金にしたり、国債など、おろしにくくしておくこと。
マイホーム志向もいま転換期にきているのかもしれません。将来は人口が減りますから、空き家が増え、物件価格はこれからも下がる可能性大です。新築マイホーム志向を捨て、住居費は格安に抑え、貯蓄をしっかりするという選択肢も出てきます。
最後に、捨てない習慣も大切です。食材や資源を大切にすることはお金のセンスを磨く基本です。少々高い有機野菜を買っても、たとえば大根なら葉まで使い切れば出費は抑えられます。お茶やコーヒーだって自販機を使わず作れば数十円ですむ。節約が苦手な人もひと手間かける習慣が貯め体質になる第一歩ですよ」