「携帯電話料金の滞納が原因で、ブラックリストに登録されるケースが増えています。昨年末で275万件にのぼり、3年間で3倍に急増したと日本経済新聞が報じました」

 

と話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。ブラックリストとは、銀行からの融資・返済状況やクレジットカードの利用履歴などが記載されている個人信用情報に、滞納や支払不能などの事故情報がつくこと。

 

「滞納し3カ月以上放っておくと滞納金額にかかわらずブラックリスト入り。信用情報に事故情報が記載され、返済完了後、5年間は消えません。事故情報が残っている間はクレジットカードを作りたい、住宅ローンを組みたいと申請しても、審査を通過できない可能性が高いでしょう」(荻原さん・以下同)

 

内閣府も「機種代金の分割払いを滞納すると信用情報に傷がつく恐れがある」と注意を呼びかけているが、まだ浸透しているとはいえない。店頭では「機種代金実質0円」の宣伝をよく見るが、これは機種代金の分割払い分と同額の値引きを受けるため、見かけ上は0円だが、機種代金の支払いがなくなったわけではないので注意しよう。

 

「クレジットカードの支払いも、滞納し3カ月以上放っておくと個人信用情報に事故情報が登録されます。また利用状況も登録されます。月ごとにカード利用の有無、正常に入金されたか、滞納したかが記録され、直近2年分のデータを参考にローンなどの審査が行われるからです」

 

’10年4月からは、日本学生支援機構の奨学金の返還情報も、個人信用情報に登録されるようになった。返還が始まってから半年以降に3カ月以上滞納があった場合は、事故情報として登録されることに。

 

「自分の信用情報は確認できます。おもに銀行関連は全国銀行個人信用情報センター、クレジットはシー・アイ・シー、ノンバンクや消費者金融などは日本信用情報機構の3社が管理しています。情報開示請求は1千円ほど必要ですが郵送で申し込めます。シー・アイ・シーの情報はインターネットでも閲覧できます」

 

クレジット社会の欧米では、クレジットヒストリーと呼ばれるカードの利用履歴が、信用のバロメーターとなる。日本も今後はクレジットヒストリーや個人信用情報の重要性が高まっていくだろうと荻原さんは言う。

 

「支払通知書は必ず確認し、滞納しないようご注意を。それでもお金の管理が苦手な方は、できるだけ現金で支払いましょう。予算を超える現金を持ち歩かなければ、使いすぎることもありません」

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