香港・九龍島の繁華街、尖東にある24時間営業のコンビニ「信和便利店」の看板猫が話題になっている。まん丸フェースと貫禄のある体がなんとも愛くるしいスター猫、クリームあにきだ。
入口のレジ横に陣取り「いらっしゃい、何でも好きなもの買ってきな」と誰にでもフレンドリーに接してくれる。そんなキュートな彼見たさに、地元民はもちろん世界各国から人が集まり、店は連日大にぎわい。
そんなあにきの人気ぶり、生い立ちやコスプレ姿などが掲載された『香港の大スター☆クリームあにき』写真集(辰巳出版)が日本でも発売された。
「あにきは元々、フェイスブックで知る人ぞ知るかわいい猫でしたが、’11年夏に失踪騒動があり、捜索願をフェイスブックで拡散したところ、無事、保護されました。そのことが新聞やニュースで報道され、人気が一気に拡大したんです。それがきっかけで大手旅行会社のキャラクターも務めることになり、香港の空港のカートやバスにも、あにきの写真が使われています。写真集も続々出版、クリスマスシーズンにはあにきのオブジェが街を彩りました」
そう話すのは、取材を担当、SNSであにきの広報担当もしている香港在住の猫好きライター・塚碕由香さん。香港でも猫ブームが?
「香港ではお店でネズミ退治のために猫を飼うのはよくあることですが、ペットとして飼われてはいません。あにきも初めはネズミ退治のために飼われましたが、今では店長に昇格し、ペットのように可愛がられています。あにきの出現によって香港の人の猫に対する認識も変わって来ているんじゃないでしょうか」
あにきは、単なる人気者にとどまらず社会貢献もしているそう。
「あにきは、最初の飼い主さんの家で、先住猫にイジメられ今のお店に来ました。そんな昔のあにきのようにかわいそうな環境の動物たちのために『クリームあにき慈善基金』が作られ、ファンから募金を募ったり、あにきグッズの提供やイベントでの収益などを支援にあてています」